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カテゴリ:ゴルフのお話し
夕暮れのこのホールの光景が一番印象に残っている リンクスの特徴と言えば、海に面し、砂地に風や波が作った 砂山(Dune)があり、そこに草が根付き、洋服をも突き破って ゴルファーを痛めつけるゴースが茂り、ポットバンカーあり、 アンジュレーションが激しく、風が強く、ボールを転がす 技術を要求される そんなところだろうか リンクスを構成するのはなんと言っても素材、つまりその 土地が一番大切な要素だが、他にも重要な要素があることを バンドンデューンズの本を読んで学んだが、それは芝だという リンクスコースの"ゴルフの作法"として、風を避けるため 大きなクラブで低い球を打ち球を転がすことが有効だと いわれる。 葉が細く丸いフェスキューがボールの転がりを 助けるのだそうだ ゴース(ハリエニシダ)がないとリンクスらしくないが、 これにつかまるのはやっぱり御免だ さてバンドンにある4つのコースのうちバンドンデューンズこそ フロント・バック共にパー36でトータルパー72という標準 的な構成だが、パシフィックデューンズとバンドントレイルズは それぞれ36+35のパー71の構成だ パシフィックデューンズのフロント9はパー3とパー5が 1つずつで後は全てパー4、その一方でバック9ではパー5が 3つ、パー3が4つでパー4が2つしかない構成になっている オールドマクドナルドに至ってはパー71ながら34+37 という構成で対称形を考えたレイアウトにはなっていない チャンピオンコースと言って無理に7000ヤードを超えて パー72にするのではなく、土地に眠っている可能性を 設計家が引き出し、土を大きく動かすことなくデザインする 本来のゴルフの姿に近いものだと思う 4つのコースで最も人気があり、設計家からも評価の高い パシフィックデューンズでは、あまり好まれることのない パー3が続くレイアウトがあるのが面白い 日本、いや世界の多くのゴルフ場ではここぞとばかりに ブルドーザーで土を動かして2+2+5の9ホールを 作ることだろう こんな所からもバンドンのオーナーであるカイザー氏と 彼とビジョンを共にする設計家たちのニマリズムが 見て取れる。 つまり、この土地をできるだけ素材の ままゴルフコースに仕立て上げるという事を、、、 Pacific Dunes
次の機会にはぜひこのロッジにとまりコースを赤く染める 夕日を見てみたい Old Macdonald
欧米では18ホールをスルーでプレーするのが一般的で 多くの場合は9ホールを終えるとスタートホール近くに 戻ってくる構成になっている しかしバンドンデューンズ以外の3つのコースはひとたび ティオフすると18番を終えるまでクラブハウスに戻る ことはない。 このためターンスタンドと呼ばれるトイレや ちょっとしたスナックや飲み物が購入できる場所を9番と 10番ホールの間に設けているケースが多い ここオールドマクドナルドでは一番の高台で見晴らしの良い 7番ホールを終えたところにそのターンスタンドがある 共同設計家、オーナー、その他のご意見番の意見が交錯する中 7番グリーン脇にターンスタンドを作り、プレイヤーに 絶景を見せるという事で皆の意見を丸く収めたいわくつきの レイアウトだ ターンスタンドすら真ん中の9番終了後ではなく、7番の 後に持って来る発想の柔軟さが素晴らしいではないか リンクスでは砂山の向こうに広がる超え見えないグリーンに 向かって打つとか、フェアウェイのうねりでフェアウェイの ど真ん中のショットがバンカーに入り、ラフに行ったと覚悟 したショットがフェアウェイのど真ん中に鎮座することを フェアでないという人もいるだろう しかし、そもそもゴルフに公平は存在しないのだと思う ボールが放たれた瞬間にゴルファーは全ての運命を天に任せる ことしかできないのだ。 その瞬間に風が吹いたり、ベスト ショットがディボットに止まったりしても、ゴルファーには それをコントロールすることなどできないのだ そんなことを改めて教えてくれたバンドンデューンズという 偉大なコースに感謝し、そしてまだこの地に戻ってきたいと 心から思う 4つのコースのヤーデージブックとスコアカード バンドンデューンズの旅は自分でも消化をするのに多くの 時間を必要とした特別な旅でした。 日本に向かう機中で 一睡もすることなく、原稿用紙にして50枚以上も思った ことや感じた事を書き続けました 自慢タラタラで付き合ってられないよと思った方も いらしたかも知れませんが、自分の思いの丈をどうにも 止めようもなく、つらつらとアップを続けました お付き合いいただき、ありがとうございました! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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