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たかが頭痛が脳腫瘍!!

たかが頭痛が脳腫瘍!!

Dr.福島さんに勝った医師



 【 福島さんに勝った医師 】

スーパードクター福島さんを越えた医師


【 これは福島さんに勝ったと思う、昨日の聴神経腫瘍手術 】

皆さん、毎度、管理人です。

昨日も聴神経腫瘍の手術だったんですが、

両側性で且つ反対側はすでに耳が聞こえないという直径3cmの、
それはそれは難易度の高い症例でした。

今年の8月ぐらいに外来で見た人で、
3ヶ月の手術待ちで昨日の手術になったわけですが。
この人まだ29歳でね。しかも新婚さん。

私が失敗したらもう完全な聾唖者になっちゃうということで、
相当私自身も緊張して手術に望んだわけです。

ところが入院後のカルテをみて知ったんだけど、
うちの入約をとってしばらくしてから福島先生と連絡が取れて、
外来で見てあげるからってことで行ったらしいのね。
(後で知ったんだけど)まぁ、それはいいよ。
セカンドオピニオンって考えもあるからね。

で、福島さんのところへ行ってどうなったか。
結局遠路はるばる行ったのに写真しか見て貰えず福島先生には会えず。
で、そこの医者から

『☆☆先生(←管理人さん)が手術をするといっているのなら、
☆☆先生にやってもらったらどう?』


って福島先生が言ってるって言われたらしい。

オレが診てるってことはすでにメールなんかで患者から情報持ってるはずなのにね。
考えられるのはただひとつ。
実際に見たら思いもかけぬ難物で手を出すとやばいと思ってオレに押し付けたんだね。
そうでなきゃ、はじめから自分が外来で見るなんていわず、
初めから

『☆☆先生に見てもらってるんだったらそのまま手術してもらったら』

って最初の時点で言うはず。

オレそのとき実感した。
『アーやっぱり福島先生ってうわさどおり勝つ手術しかやらないんだ』

ってね。

『ラストホープ』って最後の切り札って意味でしょ?
それはないよ、福島さん、って感じだった

結構カチンと来ました。
以前同じようなケースで、うちをキャンセルして福島先生に手術してもらいに行った患者もいる。
だから一概に☆☆の患者なら安心して☆☆に任せられる、
って思ってるわけじゃないのは確か。

だから症例を選り好みして勝てる症例しか手術しない。
そうとしか思えない。

結局、日本へは小遣い稼ぎに来てるからチョー難しいのはやんないんだ。
初めてわかった。
福島さんに見捨てられた患者もかわいそうなんで、
手術やることにした。

普段同じようなことをしたのがわかったら、手術断るんだけどね、オレ。
患者は掃いて捨てるほどいるんだから。

でもね。29歳新婚、両側の3cm聴神経腫瘍。左はすでに聴力廃絶。
ほっときゃ数年後には死んじゃうし、もうあとわずかで両耳とも聞こえなくなっちゃう。

外科医として何とかしてあげたかった。
だから成功率は50%、私がやっても50%は術直後から聾唖者になる。
手術までに少しでも手話の勉強しておいで。
って言って、結局手術に臨んだわけです。

昨日の朝から手術スタート。
すごい出血の多いケースで大変でね。
でも慎重に時間をかけて丁寧に聴神経を残しながら手術したの。
8時間以上かかったんだけど、
とにかく解剖学的にはきちんと聴神経も顔面神経も残して、80%の腫瘍は取れた。
内耳道の中の腫瘍もきれいにとった。

ところがね。術途中まできれいに電気的に聴力の温存が確認できてたんだけど、
最後のひとかけらを取って、さぁ勝ったぞと思いながらABRを取ってみると・・・
なんとさっきまで出てた聴神経の波が消えてフラットになってる!なぜだ!?
うまくきちんとやったはずなのに・・・

そこまでの8時間の苦労もすべて水の泡、
あーとうとう自分の手でこの人を音のない世界に送り込んでしまった。。。

本当にがっくりしました。
麻酔の覚めも悪く呼びかけにも応えず。。。
もうがっくり落ち込んで帰途に着いたわけです。

で失意のまま風呂に入って出てきたら、病院から電話。
「なんだ?急変でもしたか?」と思いながら電話に出ると
第一助手についてくれたI先生からの電話。

「どうした?後出血でもしたのか?」

そうしたら担当医

『いえ、そうじゃなくてうれしいお知らせで。
さっきの患者、補聴器つけたらちゃんと聞こえて会話もできてます、
さっきは麻酔の覚醒が遷延していただけのようです』


って言う電話。恥ずかしながら、女房も目の前にいるのに

私、嬉しくてぼろぼろ泣いちゃいました。
ホント嬉しかった。脳外科医やっててよかった。マジそう思った。


で今朝出勤して患者を見に行ったら。
本当に聞こえてる!よかったぁ。

次に思ったのは

『あぁおれこれで、福島さんに勝ったな』

ということでした。

だって福島さんは逃げたんだもん。
俺は立ち向かった。
で、見事に手術で勝って、この患者さんに向こう10年以上音のある生活を約束してあげることができた。
本当に嬉しかったです。


これで#*** のスレッドの○○○さんに次いで、
2人目の人を助けてあげることができた、オレの手で。

○○○さんも慶応に見捨てられ、東大にも見捨てられた患者さんでした。
いやぁ、あんまり嬉しかったので、外科医としての感動を皆さんに伝えたくて長文書いちゃいました。

『福島さん、青は藍を抜いたよ』 これがあるから脳外科医は辞められません。

俺、死ぬまで手術で一人でも多くの患者さんを助けたいと思ってます。
かなり純粋にそう思ってます。ではまた。


アー書きそびれた。
手術時間は8時間13分、出血量は350mlと普段のオレとしてはかなり多かった。
でも顔面神経はまったくなし。
聴力も術前よりちょっと落ちたかな、程度に温存できてます。
完璧だと思う。



書き込み 1、

管理人さん 良かったですね、
おめでとうございます。お疲れ様でした。
私も同じ病気の患者の一人ですが 今回の管理人さんのカキコみて
手に取るように理解でき私も涙がでました。

私の場合もう少し大きな聴神経腫瘍で聴力は、
はなからだめ、全摘もできるかどうかといわれてました。
すでに脳幹を圧迫し始めて、顔面にももう症状もではじめていました。
全摘に釘をさされたのは
なるべく術後のQOLを考え顔面神経麻痺をださないようにしたいとの医師の判断でした。

が私はどうせ手術するならギリギリのところまでかぎりなく全摘してくれと頼み込みました。
主治医や執刀医色々説明し、努力し何度も話し合い手術にいたりました。
残念ながら術後顔面麻痺が残りましたが神経は温存できたので
日めくりで回復してきました。
第一すべてとりきった自分のきれいな脳のMRIを見せてもらうとうれしくてたまりませんでした。
そして主治医も執刀医も同じように喜んでくれました(すみません、長々と)

本当にいつも思うことは誠実な正直な医者が一番だということです。

フランスの文豪ロマン・ロランは
{病気は往々ためになるものである。病気は身体をこわしながら
魂を開放する、魂を清める}と言っていました。
病に立ち向かう人生は生きる喜びを深く味わえる。。。

それを医師とともにできるのは本当に 患者冥利だとおもうのです。
又、その選択をするのも 患者自身だと思う・・・

苦しみを楽しみに・・不安を希望に・・
心配を安心に・・マイナスを転じてプラスに・・
そんな 医師である 管理人さんの姿を
みんなは いつも 感動してかげながら 応援してます^^;


書き込み 2、

長丁場の緊張を要する手術が上手く行き、おめでとうございました。
上手く行くかどうかで、終わった後の疲労感が全然違うのでしょうね。
難しい手術が成功して、ほんとに良かったです。
患者さん良かったですね~♪
今でもセカンドオピニオンを嫌う先生も居ますけど、
理解ある先生で患者さんは救われましたね。
先生の広い心に感謝です。

書き込み 3、

先生の姿勢にはいつも『医師の気概』を感じます。
苦しんでいる患者を何とか救おうとする先生の姿勢、
ホントに素晴らしい!

書き込み 4、

 先生のこの投稿に感動し、涙がほほを伝わりました。
先生は技術も、心も、ずば抜けて素晴らしい方なのだと、
改めて、感激してしまいました。

 先生!お身体に気を付けて、一人でも多くの患者の命を、
救ってください。そして、29歳の女性の回復を、心よりお祈りいたしております。

書き込み 5、

やっぱり、管理人さんすごい!!

私、先生とは全く違いますが、福島先生にお会いした時、
とっても変な感じでした。

こう言ってはなんですが、、、

私を治してくださってるドクターたちも、

福島先生を超えてますよ。完璧にね。


★ ある脳外科医さんの掲示板からいただいてきました。★



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