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カテゴリ:秩父巡礼
第17番札所
山号:実正山(じっしょうさん) 宗派:曹洞宗 本尊:十一面世音菩薩 巡拝日:2008年4月4日 ----------------------------------------------------------------- 十六番・西光寺の裏手から秩父鉄道・秩父駅の前をかすめ、やや北上する。 十七番・定林寺の周辺はあまり近代的な区画整理がなされておらず、 民家の間の路地のくねりが、かつての巡礼道の風情を想像させる。 西光寺同様、定林寺のまわりも桜の花盛りで、本堂を覆ってしまうほどだ。 本堂へ向かう参道沿いにまで民家が建っていて、寺としての構えはひっそりとしている。 本堂へと昇る階段の手前右側に、梵鐘があった。 四国・坂東・秩父の計百ヶ所霊場のご本尊が浮き彫りにされている珍しい鐘。 埼玉県指定有形文化財。 本堂は、札所のお堂の中では中規模程度の大きさか。 遠目には大きいお堂のようにも見えたが、四方を回廊が取り巻いているので、 実際に壁で仕切られている床面積はむしろ狭い。 寺自体はもともと秩父神社の近くにあって、江戸時代後期にこの地に移ったという。 このお堂もその際に建てられたのだろうか。 向拝面の天井には、15枚の花鳥図がはめ込まれている。 すでにかなり脱色しているけれど、それを取り囲む無数の千社札と共に、 お堂の歴史の深さを物語っている。 花鳥図を見上げていると、近所の子供たちだろうか、 何人かが自転車で乗りつけてきて、本堂の回廊を見てまわっている。 天井に見入っているこちらにつられたのか、同じように天井を見上げて、 「けっこうきれいなんだなぁ」なんて、わかったようなことを言う。 まるで子供のころのませた自分を見るようである。 この子も将来は寺フェチになるかもしれない。 納経所は、本堂の裏手にある。 ご本尊にゆっくりお参りしたあと、ご朱印をいただく。 かつての寺域はもっと広かったのかもしれないが、 現在は宅地が迫り、限界ギリギリまで削られた敷地の中に、 本堂と納経所がひしめいて建っているようなイメージ。 しかし、市街地に程近いにもかかわらず、かつての様子を空想できるに足るほど、 この周辺は山里のような風情を色濃く残している。 一帯の雰囲気を含め、非常に心地よい札所だった。 昼過ぎから巡礼をスタートしたこの日は、この定林寺までの5ヶ所が限界。 前回に比べてずいぶん回った数が少ないが、今宮神社や秩父神社へも寄ったから、 実際には7ヶ所まわったようなものだ、と考えて納得し、帰路についた。 実正山定林寺 秩父市桜木町21-3 tel.0494-22-6857 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年10月20日 11時29分25秒
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