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カテゴリ:秩父巡礼
第25番札所
山号:岩谷山(いわやさん) 宗派:曹洞宗 本尊:聖観世音菩薩 巡拝日:2008年5月15日 ----------------------------------------------------------------- 二十四番・法泉寺を出て、さらに南西へ下る。 途中、巴川橋付近は荒川が大きく湾曲しており、 深く侵食されたその川越しに武甲山を一望できる。 このあたりから見る武甲山は雄大で、かつ威厳に満ちている。 やがて道は、久那という地域に入る。 秩父盆地の南西のはずれにあたり、山里の雰囲気が今も残っている。 その集落の合間を縫っていけば、山あいに抱かれたように、二十五番・久昌寺がある。 境内へは、まず、こじんまりとした仁王門をくぐる。 門には“御手判寺”の額が。 これは、この寺に伝わる御手判(おてはん)という石に由来するもの。 死後、閻魔王庁を無事に通ることができる、いわば通行手形だそうで、 秩父霊場の成立時にまでさかのぼる伝説だという。 仁王門をくぐり、舗装された参道を歩く。 道の右手は用水路、左手は崖になっている。 しばらく歩くと、この崖の麓に、観音堂が見えてくる。 江戸中期の建立というこの観音堂は、長年の風雪に耐えたゆえか、 向拝や回廊などの部分に歪みがあって、シンメトリが崩れている。 一対のはずの石灯籠も片方がなくなっていたりして、一帯が荒廃しているという印象。 そのせいなのかどうか、御開帳中は観音さまが本堂に移されているという。 観音堂を過ぎ、本堂へ向かって歩を進めると、目の前に池が広がる。 もともと池だったのか、湧水かなにかを灌漑用にせきとめたのかわからないが、 弁天池という名が付けられ、ほとりには水の神様・弁天さまのお堂もあったりするから、 この池はもともとあったものだと考えなければナンセンスだろう。 水面には、美しい蓮の花が浮かんでいる。 池の脇を抜け、本堂へ。 境内は三方を小高い山に囲まれたような地形になっている。 本堂に移されているご本尊さまにお参り。さらに弁天さまにもお参りする。 観音堂周辺に比べると、本堂のまわりはきれいに整備されている。 事前のリサーチによると、この弁天池越しに見える武甲山が美しい、 ということだったので、弁天堂の裏手あたりから狙おうと写真を構えるものの、 山頂部分が少し顔をのぞかせているだけで、とても山容をうかがえる景色ではない。 本堂裏手の墓地に登れば視界は開けそうだけれど、そこは立入禁止になっている。 しかたなく、弁天堂裏からのアングルで我慢する。 池の向こう側には、観音堂の尖った屋根が見えている。 池は大きくふたつにわかれていて、上の池には「古代ハス生育中」と看板が立っている。 夏が近づくときっと、この水面をいくつもの蓮の花が埋め尽くすのだろう。 下の池はぐるっと一周できるようになっていて、対岸から眺める本堂も美しい。 新緑と、爽やかな風、水面の涼やかさ。 ゆっくりと、その景色の一部になってしまうほど、佇んでみたい。 そんなふうに思わせてくれる寺だった。 岩谷山久昌寺 秩父市久那2215 tel.0494-23-7309 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008年10月20日 11時25分27秒
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