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カテゴリ:仕事・職場@インド
ある記事によれば、福島原発の作業員には7次、8次の下請けまでいるとか。
こういう下請けのピラミッド構造は、日本では電力業界に限りませんね。 IT業界もよく例として挙げられます。 僕が新卒で入社した典型的な日本企業では、詳細設計から結合テストまではほぼ協力会社に丸投げ。 2社目のベンチャー企業は技術力を売りにした企業でしたので、小規模のシステムであればほぼ自分達だけで作り、大規模のシステムであればフレームワークや共通機能など核となる部分は自分達で作って個々の画面やバッチは協力会社の方々にお願いする形が多かったように思います。 このような構造において、 元請けにとってのメリットは、コストを抑えられるということ、繁閑に合わせて人員の調整がしやすいということ。 下請けにとってのメリットは、企業に営業力や技術力、知名度がなくとも、仕事を取りやすいということ。 元請けにとってのデメリットは、下請けが何重にもなって来ると管理が難しくなりますし、何かあったときに責任の所在が曖昧になりかねないこと。 下請けのとってのデメリットは、利益率が低かったり、元請けとの力関係や待遇の悪さなどにより技術者がモチベーションを失ってしまったり、といったこと。 ・・・でしょうか。 今回の原発事故には、元請け・下請け構造のデメリットが絡んでいるような気がしてなりません。 このような構造は、日本以外の国でどの程度あるのでしょうか。 日本のメディアも、キー局社員が高級を食む一方で制作会社を安くこき使う構図ですから、自分達の都合の悪いことは取り上げませんね。 今の会社ではほとんど下請けを使いません。 先進国の数分の一の単価でも十分な利益率が確保できますから、多くの技術者が余裕を持って仕事をしていますし、会社としても余剰人員を抱えることが可能で、多少忙しくなったときでも自社の社員だけで大抵こなせます。 また、インドの労働市場は日本よりずっと流動的ですので、いざとなれば外部から採用することも比較的容易です。 何より、作業プロセスやコミュニケーションプロセスを標準化して生産性や品質を高め、コンプライアンスの意識を共有するのは、自社の社員だけでチームを組んだ方がずっと簡単です。 日本では大手SIerでさえ「国際競争力がない」などとと言われているのに、下請けソフトハウスに未来はあるのでしょうか。 もちろん優秀な個人はどのような環境の変化があっても生き残っていけると思いますが、企業が淘汰されていくのは避けられないような気がしています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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