2009年2月3日
日本銀行
日本銀行による金融機関保有株式買入れの再開について
日本銀行は、本日開催した政策委員会・通常会合において、「株式買入等基本要領」の改正等について別紙のとおり決定し、金融機関保有株式の買入れを再開することとしました。また、これらの実施に関し、日本銀行法の規定に基づき、財務大臣および金融庁長官に認可を申請しましたので、お知らせします。本件買入れは、当該認可取得後、所要の準備が整い次第、開始します。
国際金融資本市場の動向をみると、米欧主要金融機関において多額の損失が発生し、各国政府による様々な措置が講じられるなど、強い緊張状態が続いています。こうしたもとで、わが国株式市場も依然不安定な状況を続けています。 わが国の金融システムの現状をみると、全体としては安定性を維持してきましたが、国際金融資本市場における緊張の持続が、株価の下落や信用コストの高まり等を通じて、資金仲介機能と金融機関経営の両面に大きな影響を及ぼしてきています。とくに株価の影響についてみると、わが国金融機関の株式保有額は2000年代初頭に比べ減少をみましたが、現在発表されつつある今年度第3四半期決算では多額の減損や評価損が計上されるなど、わが国金融機関にとって、株式保有リスクへの対応が引き続き極めて重要な経営課題となっています。
こうした状況を踏まえ、日本銀行としては、金融機関による今後の株式保有リスク削減努力を支援し、これを通じて金融システムの安定確保を図る観点から、年度末を控えたこの時期に、金融機関からの株式の買入れを再開することが適当と判断したものです。
日本銀行としては、今回の買入れの対象となった金融機関から、株式保有リスクの削減に向けた中長期的な取組みについて考え方の提示を受け、その後の具体的な取組みをモニターしていく方針です。
以 上