欧州機関投資家は東京市場をどう見ているか
先週、コメントつけて仲間に配信したものですが、日本株をどう考えているか少し理解できますね。**********************************************************************僕の友人の大和の三宅チーフストラテジストが5月13日から5月21日まで営業日数で7日間、欧州の機関投資家を訪問して報告書を書きました。彼はいつも欧州を回るときはエディンバラの僕が最後で夕飯を食べてじっくり話するのが常でした。日本語でしゃべれるから、外人に話す内容の3倍から5倍、英語でしゃべる苦痛を忘れんがためにしゃべりまくって日本に帰ったもんです。 レポートの公表日は5月24日付け。まだホットですね。で彼の結論:●去年の11月の訪問に比べて、今回はさらに日本株への注目度が高まり、かつ日本株に 対して積極スタンスが増えていると感じた。 (個別面談したグローバルファンドの中には「日本株をオーバーウェイトにしている」との回答が 数件から寄せられた(昨年11月時点はほぼゼロであった)。●欧州大陸のグローバルファンドでは、まだまだ日本株上昇・好転に対して懐疑的で、半信 半疑といったところも多かった。●スイスのグローバルファンドなどでは「慎重なアロケーションが続いており、株式のウエイトが 引き続き低水準で、日本株を増やす余地が小さい」との指摘もあった。日本株を敬遠し、 アンダーウェイトを続けてきた投資家にとっては、6ヵ月程度の上昇では、過去20数年間の 弱気相場における信頼喪失を取り戻せないとも感じた。●今回の訪問ではアベノミクスが効果を発揮しはじめ、日銀の体制転換で円安・株高・デフレ 脱却期待が高揚、企業収益の大幅増益が予想されいるので、いつもなら必ず指摘された 日銀への批判や政府の失政・失策に対する批判や、日本経済の構造問題や日本企業の 低い収益性、株主軽視などの問題点について今回はあまり批判する人がいなかった。●日本株に強気の投資家は、当方の長期展望「2020年に向けて日経平均株価30,000 ~ 35,000 円、TOPIX2,500 超を目指す長期強気相場に入った」との見方に対して違和 感なしとの声もあった。(あいつ、俺の見方のマネしちゃってる!)●あるドイツの投資家は「世界の株式市場はこのとこ 7 年周期で動いている。テック株が 牽引した1999~00 年のIT バブル、資源・エネルギー株が牽引した2006~07年の 新興国バブル、そして2013~14 年の世界的な上昇相場である。日本株もこの流れに 乗って強気相場を演じるとみている」とのこと(当方からは、アジアの中間所得層以上の 急増などを考えると消費関連株が牽引役になるのではと提示。●ロンドンの投資家からは「今後の1~2 年程度で日本企業のROE は大幅に改善しそうだ (10 数%くらいまで上昇する可能性がある)。PBR の1.5 倍、TOPIX で1,400~1,450 くらいは高くない、正常化レベルである。それより先は、どれだけ利益が成長していくかだと。●(僕:これが重要でしたね。) 今回は、異次元緩和の効果によって生じている様々な動きに関する注目度が非常に 高かった。 金利上昇に対して、どのような影響が出てくるのか。JGB の急落リスクはどの 程度かという質問多し。巨額の政府債務残高に対して金利上昇はリスク要因ではないのか。 日本の政府債務問題をどのように考えるか、、、など。**********************************************************************