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2008.04.03
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カテゴリ:let me sleep beside you
夜中にふと目が覚める。
慶介を起こしてしまわないように、
目だけを動かして、慶介の寝顔を眺める。
月明かりに照らされる慶介の寝顔。
少し難しい顔をしている。
悩ませているのは私、、だよね?

紘人が死んですぐから、もう2年も、慶介はこうして添い寝してくれている。
闇の中で目を覚ましても、
悪夢に目を覚ましても、
いつもそこには優しい慶介の顔。
私が身動きすれば、すぐに目を覚ましてくれる。
何も言わずに、優しく微笑んで、大丈夫だよって伝えてくれる。

私はずっと、慶介に嫌われていると思っていた。
同じバンドにいた時も、紘人と付き合いだしてからも。
だから、最初はとまどった。
なんで、いつもきて、添い寝してくれるのか。

聞いてみたことがある。
あれは、まだ、紘人が死んでまもない頃。
添い寝してくれている腕の中で。

「ねえ、ケースケ、なんでいつも来てくれるの?」
「イヤなら来ないけど?」
「イヤなんてことないよ。私は、嬉しい。添い寝してもらえると、すごく安心できるし。でも、、誰かと寝ないの?」
「ほっとけよ」
「いつもあんなに、次から次に女の子、とっかえひっかえ。。昼も夜もだったじゃない?」
「人を変態みたいに言うな。」
「だって、事実じゃない」
「・・・ちょっと前に、そういうのやめたんだ」
「なんで?」
「・・・・」
「ヒロトが死んだから?」
「違う、その少し前から」
「・・・?」
「たまたま寝た女が、よりによって同じ事務所の仲間の女だったんだ。ふざけた女で、そんなこと何も言わなかったから、全然知らなかった。そいつは、俺を責めずに許してくれたけど、、さすがに、申し訳なくて、自粛することにしたんだよ」
「今は、、、じゃあ1人で・・?」
「そこまで聞くな」
「・・・変態」
「どっちが?・・じゃ、お前を抱こうか?」
「だけど、ケースケは私に興味なんてないでしょう?こんなに一緒に寝てて、ほんとに全然、手を出さないなんて、よっぽどケースケは、私がキライなんだね。」
「・・・(フーっ)」
「何のため息?」
「別に。・・・俺はキライでも、いい女なら抱けるぜ。」
「・・・」
「冗談だよ。離れんなよ。だからって俺としたくもない女を抱くほど女に困ってない」
「じゃあ、やっぱり、今も昼間に、誰かと寝てるの?」
「・・・もう、いいだろ?この話。あんまりしつこく聞くと、今、ヤっちゃいたくなるかもよ?」

この頃はまだ、添い寝してくれる以外は、そっけなかった慶介。
だから、まさか、私を愛してくれていたなんて、私は全然、気づいていなかった。
その深い愛情を知ったのは、それから、しばらくして、あることが起こったから。

慶介の愛情を知ってから、もう1年と半分。
私は、その愛にどう答えていいのか分からないまま過ごしてきた。
それでも、今も私を抱くこともなく、添い寝を続け、
穏やかに変わらない愛情をくれる慶介。

ごめんね、ケースケ。

もう1度、慶介の寝顔を見る。
少し、体が動いてしまったのか、眠そうに薄く目を開けてこちらを見る慶介。
「・・ど、した?・・眠れない?」
ケースケの寝起きの声は、いつもよりも低くて、とってもセクシーで私をドキドキさせる。
私は、その思いをさとられないように、ゆっくり首を振ってから、微笑んで、慶介の胸に、頬をつける。
慶介は、私の背中にそっと手を添えてくれる。

ずっと、こうしていたい。
ずっと、ケースケの腕の中で。

この感情は、紛れもない、「愛」だって知っている。
随分前から気づいている。
私は、ケースケを愛している。

でも・・・。


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最終更新日  2008.04.04 01:54:01
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