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更新した情報を 工学研究者の武漢肺炎考 の「3. 付録 パルスオキシメーターについて」 にアップしております。
最新版はそちらを御覧下さい。 また、その記事では、 武漢肺炎と従来の肺炎との比較考察も行っております。 全体を通してお読みいただければ幸いです。 パルスオキシメーターについて、少し話をしましょう。 1. 原理 武漢肺炎対策 個人でできること 02/14 版 の末尾近くに、 「パルスオキシメーターは、あくまでも血中酸素飽和度 (動脈中のヘモグロビンのうち何パーセントが 酸素と結合しているか) を測定するためのものです。」 と書きました。 その原理は、比較的簡単です。 ヘモグロビンは、血液中に存在し、肺で取り込んだ酸素を全身へ運ぶ役目を果たすものです。 ヘモグロビンは酸素と結びつくと、色合いがより赤くなります。 酸素を全身へ送る動脈血が、運び終えた静脈血より赤い色をしているのはこのためでです。 パルスオキシメーターは、この色の違いを利用して、酸素と結びついているヘモグロビンの割合を測定します。 具体的には、指先に赤外線を照射し、透過してくる赤外線の強さを複数の周波数を測定して、その強さから算出します。 この際、動脈血からの信号だけを抽出するために、動脈を透過する赤外線は心拍に伴って変動し、その他の部分を透過する赤外線は短時間では変動しないことを利用して、透過した赤外線の脈動成分だけを抽出するという巧妙な方法が用いられます。 測定時に心拍を検出しているので、別途時間を測定するだけで、容易に脈拍数も算出できます。 これが、パルスオキシメーターが脈拍も同時に表示できる理由です。 今では光源に赤外発光ダイオードを用いることにより、小型化され、医療現場で必須と言ってもいいほど広く用いられているパルスオキシメーターですが、開発当初は、かなり大きなものだったそうです。 なお、パルスオキシメーターは、日本で発明されたそうです。 2. 平常時の値 血中酸素飽和度は、saturation と呼ばれたり、SpO2 と呼ばれたりもします。 以下では SpO2 と記します。 以前、私が遠隔医療関係の仕事をしていたとき、働き盛りの人ばかり数十人に協力してもらって測定した SpO2 は 96%〜99% でした。 日頃から運動する習慣があれば高いかというと、そうでもありません。 当時、マラソンをしている人が「○○さんも走ってみたら?」と運動習慣がない私に勧めてきたのですが、 SpO2 を測定したところ、彼は 96%、私は 98% で、彼がしょげていたのを覚えています。彼が喫煙者で私はタバコを吸わないことが関係しているかも知れません。 試しに、息をはき切って呼吸を止めると、SpO2 は次第に下がり、苦しく感じる頃には 90% を切っていました。更に呼吸を止め続け、SpO2 が 70% 台の下半分に突入する頃には、苦しくて我慢できなくなりました。そんなときでも、呼吸をすると SpO2 は短時間で普段の値に戻りました。 一般に、SpO2 は 95 未満は呼吸不全の疑いがあり 90 未満は在宅酸素療法の適用となる そうです。 これは、上記の経験とも一致しています。 3. パルスオキシメーターは医療用機器 パルスオキシメーターは肺機能を調べることができるので、武漢肺炎のチェックにも有効だと思います。 私は 95% を切るようなことがあれば、その旨を伝えて医師もしくは保健所に相談するでしょう。 ただ、パルスオキシメーターは、あくまでも医療用機器です。 流通量もあまり多くはありませんし、大部分は中国で生産されています。 武漢肺炎が心配だからと、素人が買いに走ることは控えてください。 本当に必要な医療/介護現場で入手できなくなるようなことは、決してしないでください。 一方、家庭での介護などで既にお持ちの方は、「ちょっと変かな?」と感じたら、SpO2 を測定してみるといいでしょう。 私のように高山病予防など特殊な目的で持っている人は稀でしょうが、お持ちの方は活用するといいでしょう。 4. 気になること 医療現場で、パルスオキシメーターを使用前後で消毒するのを見たことがありません。 指先を挟んで測定するものなのに。 手を洗うよう推奨されているなか、パルスオキシメーターを消毒することなく使い回すのは、いかがなものでしょうか ? 病院でパルスオキシメーターで指先を挟まれたら、アルコール消毒をお願いする方がよいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.02.22 10:14:05
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