第1回目の内容は、『神道』(シントウ)についてです。
『神道』みんさんはこの言葉聞いたことありますか?
ひょっとしたら神社や神主という言葉の方が馴染みがあるかもしれません。
神道と言う呼び名は、平たく言うと他宗教であれば、仏教、キリスト教、イスラム教と言ったように特定の信仰を指した呼称と言うことになります。そして、伊勢神宮、天照大御神、八百万の神々、神社、神主、巫女さんと言った事がらは全て神道の中にあるものです。
では、この神道とは一体どのような考え方なのでしょうか。
日本は、古代から「豊葦原の瑞穂の国」と称されてきました。お米の国と言うことです。
気候温和で四季の変化に富み、豊かな自然に恵まれた美しい風土に生活した私達の祖先は、やさしい恵みと、時には厳しい試練を与える大自然に、人間の力が遠く及ばない霊力を感じ、森羅万象を司り、国土を創造し、国や人を加護する神の存在を知りました。
そしてこれらの神々に感謝と畏敬の念を捧げてきたのです。神社の一年の行事をみましても、天候に左右される農業の動きに合わせた祭典が多く行われています。(祈願祭、お田植え祭、夏祭り、新嘗祭など)
次に神道での神様と人間の関わりについてです。
神道では、元を辿ると自分の生命は親から授けられ、さらに祖先から継承され、八百万の神々、最終的に天地創造の神々にたどりつきます。そして八百万の神々も祖霊神(ご先祖様)も私達の身近に存在しており、日々の生活で正しくお祀りをして家族、社会に清き正しき心で接した時、神々は私たちに大きな御神徳をくださいます。これは、常に神様と共に私たちは生活を送っており見守られているということであり、他の宗教に類をみないほど神道では、神と人は生活の中で密接な関係にあるということです。
このような神道は、個々の自覚の有無に関わらず、日本人の血のなかに流れ、人格形成及び、家庭、地域社会、国家など生活共同体を支えてきた、日本人固有の伝統精神文化と言えるのではないでしょうか。
最後になりますが、神道には、教祖、教典といったものはなく、『古事記』『日本書紀』に神々のことが記述されています。これは、他宗教の教典とは性質を異にしており、そこには躍動する生命観、素朴ながらも宏大な宇宙観・世界観が、民族の息吹として描かれています。
次回は、『神社』についてです。
参考文献『神々の恵み』