今日は、昭憲皇太后の御歌を紹介します。
日本人のあり方、生き方、教育に至るまで、今私たちが忘れかけている大切なものを、日本語という最も洗練された言葉で表現されています。
きっと御歌にふれることで心に何かしら感じていただけると思います。
沈黙(ちんもく)
すぎたるは及ばざりけりかりそめの
言葉もあだにちらさざらなむ
注釈:沈黙ー黙っていること。
かりそめーいささか。ちょっとした。
あだー無駄なこと。真実のないこと。
直訳
何事でも、過ぎたるは及ばざるにしかず、と言って行き過ぎはよろしくありません。
特に言葉については、どんな一寸したことでも、軽々しく口を利いてはいけません。
むしろ沈黙の方が良い場合もあります。
解釈
不用意の言い過ぎが誤解を生じたり、不幸を招いたりする基になります。
つまらない噂が、社会の秩序を乱したり、家庭の不和を招いたり、
友人との誤解を起こしたりします。
また、感情に任せつい口を出そうになった言葉をぐっと堪える。堪えたことで守れる大切な関係もこの社会にはたくさんあります。
参考文献 『大御心』