カテゴリ:健全な青少年少女の育成を阻害する記事
![]() ただ元々波瀾万丈な業界なので、「オーダーとして無茶」な注文が来ることがあります。今日納品したものがそれ。 端的に言うと「シナリオが逃げたから穴埋めしてくれ」というものなのですが、そのオーダーの笑える日程。 1.打診 昨日の16時ごろ 2.納期 今日の20時ごろ 3.分量 70k以上のエロシナリオ 「無理だ!」 自分のiPhoneに叫び付けましたよ。 オタク業界の人ならもしかしたら「あるある」と思われるかもしれませんが、多くの読者さまには具体的な想像が付かないと思います。まあここまで致命的に納期がピンチな仕事もそうそうありません。分かりやすく文章量でオーダーを表現するなら、「文庫本半分の文章量をシナリオ形式で1日ちょいで用意してくれ」というものになります。 せっぱ詰まってた理由は、収録スタジオと声優さんを先方がすでに予約していたから。そこまで状況が悪化していたのは担当者の責任ですが、連絡無く失踪したライターがシナリオひっさげて帰ってくる可能性は低いです。結局「なんとか出来そうな人」を当たって、その名簿に私が引っかかったのですが、10分ほど時間をかけて断ったのですが「途中まででもいいから」と押し切られました。 ちなみに先方の予算は決まっているので、特別原稿料が良くなるということはありません。「焼肉を(個人的に)おごるから」というのがボーナスみたいなものです。 とりあえず企画書と絵をいただいて、プロットをもらいそこで電話相談。絵は十全に使用しなければなりませんが、プロットはカンナがけしてオミットできる部分を削除。ただし用意した声優さんは全員使わなければならないのがシバリ。 幸い今回の物件は『商業同人』というカテゴリだったので、断りを入れる部分が最小限なのでかなり都合あわせのマージンが取れました。シナリオボリュームも50kまで削減し、どうにか個人技で済ませられる範囲に整形。もっと早い時間に言ってくれれば、手漉きのシナリオさんに声かけられたんですけどねぇ……。まあ打ち合わせている時間も無いのが現実でしたが。 執筆を開始したのが昨日の18時頃。仮眠を挟んでほとんど部屋にこもって一気に書き上げ、シナリオ用に台詞をナンバリングしたのが19時。 疲労困憊のまま、さらにそれをキャラクターごとに再編集。エロゲに限らずゲームの場合は、声優さんごとに声を収録するので、通し脚本じゃなくても良いことを今回逆手に取りました。つまりキャラクターごとの脚本を声優さんの携帯にメールしました。 このとき、20時30分ぐらい。声優さん困っているだろうなぁ(苦笑 実は脚本の大変なところは、物理印刷にやたら時間がかかるところです。どんな速度のレーザープリンターでも、必要数を印刷し閉じてスタジオに輸送するのには四半日ぐらいかかります。ましてやこの条件下では、そんな時間は取れません。 そこで苦肉の策として、今回は携帯電話を脚本代りにすることにしました。今頃収録始まっていると思いますが、声優さんは携帯画面を見ながら台詞を言っていると思います。ちゃんと担当者には携帯キャリアごとのACアダプタを持ってゆくように連絡しました。 ただこの方法だと、オペレーターさんが脚本に鉛筆で赤チェックとか入れられないので、収録ディレクターさんが電子脚本でチェックするというめんどい状況になります。多分現場にプリンターあると思うので、それでチェック用のものを一部印刷すれば事足りるはずですが。 とにかくやりきったので、あとは出来上がりを見守るだけです。しばらくこういう無茶振りはカンベン。 でも「やった実績」は残るので、似たようなことがあればきっと来るでしょう。そう思うとまずい実績を残したような気がします。 どうかしばらくは平穏な日々が続きますように……。
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