カテゴリ:健全な青少年少女の育成を阻害する記事
再提出されてまた騒ぎになっている例の都条例改正案。
石原都知事は 「子供たちの目に触れさせてはならない漫画が、通常の書籍と並んで置かれている状況を改善するため、これ以上の猶予は許されない」 などとおっしゃっていますが、条例付帯の(実写は除く)ってのはなんなんでしょう。 理解できない。 石原都知事の文言をと都条例をなぞると、「AVやポルノ雑誌やグラビア誌はOKだけど、マンガ・アニメ・ゲームとかは全部だめだ」ということになります。 筋が通っていないことおびただしい。 『非実在青少年』という文言が消滅した代わりに、『非実在犯罪』を『二次元』で表現したら全部逮捕という、ものすごいサブカルキリングになっています。確かに実写を外せば敵は減りますが(なんせAV業界は市場規模がでかいし警察官僚の天下り先でもある。ついでに大手映画会社やドラマを作っているテレビ局も直接敵に回さない)、『通常の書籍と並んで置かれている状況を改善する』ならゾーニングで解決出来る話であって、「作るな、考えるな、妄想もゆるさん」という話にはならないはずです。 PTAみたいな人は「インフラが無いと子供を教育できない」と言いますが、家庭で行う教育を法律や条令の責任にしてはアカンのではないでしょうか。 いったい誰がどのように利益を得るのか、まったくわかりません。これが「信念」とか「信仰」とかいう理屈ではないものに立脚しているのなら、かなり恐ろしい案件です。十字軍遠征やサラセン大信仰、あるいはナチズムと何も変わりません。さしずめオタクはナチ統制下のユダヤ人というところでしょうか。 筋が通っていれば、「表現の自由はあるけど、業界として自重すべき部分は自重するし管理すべきは管理する」と業界自体が自腹切って健常化を計ると思いますが、改正案も都知事の発言も筋が通っていませんし、『非実在青少年』の文言が消え『刑法に触れること全部』という内容になったため、年齢など関係なく『架空の犯罪行為は未成年でなくとも全部規制対象』になっています。つまりエロゲでの「この物語はフィクションであり、登場人物は全て18歳以上です」というのも通用しなくなります。 判断基準も「ランドセルや教室などが映っていたらNG」とか、学園物は壊滅します。ファンタジーでも、例えばペットや野生動物を許可無く殺すのは器物損壊なので、都内でモンスターハンターを遊ぶだけで「器物損壊の現行犯」になります。あるいは銃刀法違反とか。 「そんなことはしない」という返答もされていますが、成文された条例ではありませんし拘束力もありません。その日の気分でどうとでもできますし、「言ったのは前任者です」と逃げることも出来ます。 もっとちゃんと、理路整然と構築すべきでしょう。個人的には「良いことも悪いことも子供んはちゃんと教えて、リスクを承知した上で考えて選択させる」のが正しいと思います。思想統制は結局「思考する機会」を奪うだけなので、精神の脆弱な人間を量産するだけなのですが。 こんなこと繰り返していると、ちょっとしたことでくじける若年性の鬱病患者が激増するだけだと思うんですけどね。『ゆとり教育』の失敗みたいに。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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