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カテゴリ:時事
オイラがリンクを貼らせていただいているおばけうさぎさんの日記で、あるバンドが例の香田青年が首を切られる映像をバックに投影しライブで演奏したということで世間のヒンシュクを買っていることを知った。
オイラはこのニュースを聞き、「おお、世の中にはまだこーいうムチャをする反社会的なバンドがおるんかー」と思って、ひそかに感心していた。 オイラは80年代に「ザ・スターリン」とか「ボアダムス」とかいった、ムチャクチャなライブ・パフォーマンスで知られるバンドを見聴きして成人し、それが長じて自らが「殿様の生活」などというバンドを結成して京都のアングラ・シーンで暗黒絶叫ライブを熱演してきた人間なので、「カゲキなライブ」とかきくと反射的に感情移入してしまうところがある。 オイラはもともと香田青年の首切り画像は“ちゃんと”見ている。 香田青年の最期の映像がネットで公開されていると聞いたとき、わざわざOgrish.comにアクセスして拝見させてもらった。 武装メンバーたちが声明文を読み上げる前に座らされている香田青年は、完全な諦めからか終始首を深くうな垂れている。声明文を読み終わった武装メンバーに髪をつかまれ横に倒された香田青年は、怯えから背を丸くして縮こまっていた。しかし容赦せぬメンバーは牛刀のようなものを首にあてがうと、手際良いナイフさばきでものの10秒やそこらでギコギコと青年の頭部を胴体から切り離していった。切り離された直後はまだ意識があったに違いないが、メンバーが頭髪を持ってつかみ挙げた香田青年の頭部は目を閉じ、諦念をたたえた比較的静かな表情であった。 それにしても、まったく気の毒な映像であった。親兄弟にはとても見せられたものではない。 ワシラがヘーワな日本で「さんまのからくりTV」とかを見てゲラゲラ笑っているときに、地球のあっち側では毎日のように罪のない市民が米軍の攻撃を受けて何万人も命を落としたり住む家を失い、世界中のジャーナリストや香田青年のような無謀なワカモノがイスラムの武装組織に捕えられて銃殺されたり首を切られたりしているのだ。このライブを見に来た少年少女たちも、これを機会にジンセーとかヨノナカについていろいろと考えるようになればいい。 ところでオイラはもともとアクシュミな人間で、人が目をそらすようなコトを好きこのんで見たり、あるいは目をそむける人たちに親切に見せてあげたくなるところがある。 …というのも、オイラのひそかな信念に、世の中にあるどんな不幸なことや悲惨なことや醜いことも、真実はできる限り目をそらさずにちゃんと見ておくべきだ、というのがあるからだ。 たとえば、牛だの豚を食うときには、その牛や豚がどのような環境で成長してどのように屠殺されていったのかをビデオに撮って、それを食事の席で流しながら有り難く食うべきだと思っている。 ビデオのナレーションはたとえばこんな感じだ。 『黒毛和種のオス、名前はクロベエ、2002年高知生まれ。母親は同じく黒毛和種のハナ。高知県のOX牧場で手厚い世話を受けて成長。その後、四国農協を経てXY生肉加工株式会社に150万円で売られ、2004年11月30日に電気ショックで屠殺。あいにく電気ショックの効きが悪く、意識のある状態でベルトコンベアーで運ばれ、壮絶な鳴き声を上げて自動カッターで切り刻まれ、絶命。2年10ヶ月の短い生涯でした』 あるいは、ナイキのシューズの売り場では、その靴を内職で作っているバングラデシュの子供たちのドキュメンタリービデオを流すべきではないか。 『ムハメド、9歳。ダッカの貧民に家に生まれる。7歳の時から学校にも行かず、朝早くから夜まで靴底のクッションを貼る仕事をしている。ナイキの下請け工場から一足につき2.5円もらえる。だいたい1日3~40足で100円足らず。さいきん、接着剤の有機溶剤を日常的に吸引してしまっているせいか、手がプルプルと震えるようになってきた』 「悪趣味」というのは、得てしてこのように「この世から袋をかぶせて存在を隠蔽されている紛れもない真実」と同義だったりするのだなあ(笑)。 …ただ、あいにくのところ、この映像をライブで流したクラックスとかいうバンドは知能指数が極めて低いらしく(笑)、何らかの主義主張があってこのようなことをしたわけではなさそうである。 以下がこのバンドのメンバーの「反論」である。いかに頭(&性格)が悪いかは、これを読めば自明であると思う。 『お前らってホントバカだな。 考えても見ろって、俺たちの音楽性とあの首切りは合致してるんだよ。 あれはいわばデモンストレーション。だからビビッてるお前らがバカなんだって。 つーかファンでも俺たちの事ウザいって思ったら、ファンやめてもいいんだぜ。』 「首切り」と合致するという、お前らみたいな“ビジュアル系”バンドの「音楽性(笑)」って何なのか、もう少しちゃーんと説明して欲しいなあ。それにしても、アレを見てビビらなかったとしたらお前はかなりバカだぜ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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