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日本出張、いつもそれは突然と訪れる。
今回も何の予告もなしにいきなり「明日とか、明後日に行ってもらえませんか」と言われた。掃除洗濯とか支払いとか荷造りとかいろいろあるので、週末まで待ってもらった。 出張要請が突然であればあるほど、より忙しい出張になることはこれまでの経験でも承知している。ボクの職場のばあい“出張の突然性”というのは“仕事の緊急性”と同じことだからである。 率直なところ、ボクはあんまり日本出張が好きではない。 忙しすぎるのもその理由のひとつだが、通勤電車が混んでるとか、うるさいとか、部屋が狭いとか、物価が高いとか、テレビ番組がつまらないとか、日本での生活そのものに必然的にともなう基本的な条件に慣れることができないのである。 ボクにとって日本出張の数少ない慰めは、「食べ物がうまい」というのと「飛行機代に自腹を切らずに帰省できる」という2点だけである。この2つやそこらのプラス要因とその他もろもろのマイナス要素をはかりにかけると、1年に1回くらい日本に来れれば十分だと思う。だから、半年に1度の日本出張はボクにとって頻度が高過ぎる。 日本に行ってつねづね感心させられるのは、「日本に住んでいる欧米人」の忍耐力である。同じアジアの出身者ならまだしも、豊かな生活に馴れている一般的な欧米人が、首都圏の電車や道路の混雑とか、騒音とか、汚い空気とか、押入れみたいに狭い部屋とか下駄箱みたいに狭いバスルームとか、北欧みたいに高い物価とか、しょう油クサかったり生臭かったりする室内とか、教養に乏しいTVバラエティ番組とか、慣れない文化の食べ物とか、高等教育を受けていてもちっとも英語を話せない一般市民とか、そういったもろもろの不都合や不便や不快を、いったいどんなプラス面によって我慢できているのであろうか。 日本で生まれ育ったボクでさえ、たった1ヶ月やそこら滞在しただけで悲鳴を上げそうになるこの環境に彼らが耐えられているのは、それを補って余りある何らかの大きなメリットをこの国での生活から得ていると考えるのが妥当であろう。 …まあ、野郎の場合、「自国ではモテないブ男でも、日本に来た途端モテモテのやり放題」というメリットがあるのは容易に想像できる。 ボクは、日本に住んでいた時いかにたくさんの女と寝たかを自国に帰ってから得意げに自慢しているアメリカ男を何人も知っているが、(アーミーの連中を除けば)どいつも自国ではパッとしないようなブ男ばかりである。アメリカに帰ってきてからも日本人女性を見ると自信満々で声を掛けているが、日本にいた時のようにカンタンには引っ掛からないのを不思議がっていたりする(笑)。 だから、こんなヤツらが多少の不便をガマンしてでも日本に住んでいる理由は理解できる。 一方、女性の場合はどうだろうか。 欧米人女性の場合「モテる」というよりかは、どこに行っても東洋人の男どもにイヤラシイ目でジロジロと見られたりとかいう“ハラスメント”の形をとられることが多いので、野郎どもと違って「モテモテ」を目的に日本に来ているとはとても思えない。 ただ、1つだけ類型化できるとすれば、彼女たちの多くは学歴のある「キャリアウーマン」タイプである点が挙げられる。将来的なキャリアプランの一部として日本で勉強したり、仕事をしている。要するに、「日本語を学ぶ」とか「日本のビジネス慣行を学ぶ」とかいった将来のキャリアに役立つような明確な目標を掲げて訪日し、それを達成するために日々の不都合や不便や不快に歯を食いしばり目をつぶって耐えているのではないか…という推察ができる。 だから、日本でオイシイ思いをしたアメリカ人男性とかが味を占めて日本に戻ってくる話をよく聞く一方で、欧米人女性が日本で必要な勉強や経験を完了して母国に帰った後、日本にUターンする話は(短期出張などを除けば)マレだと思われる。 たしかに、欧米人男性と違って、欧米人女性にとって日本は「異性に惑わされず学業や仕事に集中する」にはいい環境だろうなあ。日本男児による性的誘惑はほぼ皆無だし(笑)、そもそも日本男児は“異性”として視野に入っていないのがフツウだ。だいたい母国に帰れば恋人が待ってたりするんだよね。 …ああ、それにしてもユーウツな厄年の日本出張である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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