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カテゴリ:時事
ワールドカップ、ぜんぜん興味なくって、TVでも見てなかったんですが、日本が決勝トーナメントに進出したと聞いたらにわかに興味が湧いて、対パラグアイ戦を結局3時間にわたって最後まで観戦してしまいました。これがなかなか面白かった。ゲーム展開自体は、TV解説者(たぶんイギリス人)が「Least entertaining (見ていてぜんぜん面白くない試合)」と発言するくらい地味でしたが、ぼくが面白いと思ったのは、日本人選手の個性です。 ? ニホン人というと、個性を抹殺した集団主義のイメージがあるのですが、日本代表選手たちを見たら、チーマーみたいな金髪や茶髪野郎、高校球児みたいな坊主頭、オレの同世代のサッカー部員にもよくいた典型的なボサボサ頭といったように、みんな好き勝手なスタイルです。ぼくは出場選手を誰一人として知らなかったのですが(笑)、おかげで選手の区別がつきました(笑)。 ? しかし、みんな好き勝手なスタイルでありながら、解説者が「ブルー・サムライ集団」と呼ぶくらい統率が取れていて、ニホン人らしいチームワークが発揮されているのはなかなか感動的でした。あれだけ個性的な連中が揃ったら、みんなスタンドプレーに走って連携がうまく取れないようなイメージがあったのですが、ちゃんと個人よりチームを優先させた行動をとっているのがちょっと意外に見えました。 ? ぼくは代表選手たちより10歳以上年上の世代なので、スポーツ選手に関しては基本的に高校球児のような倫理観を持っており、日本人のクセにチーム・スポーツの選手が金髪や茶髪に染めているのを見ると、ついその目立とう精神というかイチビリが気になってしまいます。しかしたとえば、イギリス人解説者から「ゴールデン・アイブラウ(金色の眉毛)」と揶揄されていた本田がゴール前で自分がシュートする代わりにほかの選手にちゃんとパスを渡したりする様子を見ると、決して自分が目立つことだけをモチベーションにプレイしているのではないことが伺えます。なんというか、個人主義とチームワークのバランスがとれた新しいタイプの日本人を見るような感じがして、とても新鮮でした。 ? ぼく個人の記憶を振り返ると、サッカー部員というと、テンションが高くてヒョウキンな割にはギャグがしばしば不発に終わる憎めないタイプで、血の気が盛んで沸点が低いのですぐカッとなって手(や足!)が出てしまい、度胸があって寛大なので周囲から結構信頼されていて友達が多い、そんな類型があったように思います。一言でいえば、屈折したところのないストレートな明るいヤツですね。もっと端的に言うと、「バカなんだけど、いいヤツ」です(笑)。まあ、ブンガクを読んでインディーズを聴きリストカットしてる連中とは明らかに対極にあるタイプですね(笑)。 ? 日本代表の個々の選手を見ていると、そんなぼく個人が抱くサッカー野郎のイメージを踏襲しながら、まるでマンガのキャラのように個性が立っていて、見ていてホントに飽きませんでした(笑)。コイツは小学・中学時代めちゃめちゃケンカが強かっただろうと思わせるオーラが漂う遠藤。日本人のような顔をしながら、とてもニホン人とは思えないような大胆なプレーで敵をひるませるトゥーリオ田中。子供の頃から何不自由ない恵まれた生活をしてきましたといった坊ちゃん顔の中村。ひと世代前の日本男児のハンサム顔というか、ガイコク人にとっては黒澤映画に登場するサムライを彷彿とさせる仁王顔をした川島。あと、工事現場のおっちゃんみたいな坊主頭、あれは長友ですかね?ほんと、ドカベンのキャラみたいな個性的なメンバー、あのままマンガが描けそうですよね(笑)。 ? ぼくは、正直な話、かれこれ20年弱前にJリーグが発足した当時、サッカーみたいな最初から最後まで走りまくるテンション上がりっぱなしのアッパー系のスポーツは、韓国みたいな国には合うかも知れないけど、ニホンには合わないし根付かないんじゃないかと思っていました。でもこういう世界を舞台にした試合での日本チームの活躍を見ていると、日本人の新しい可能性を見るような気がして、ちょっと見る目が変わりました。こんな「バカだけどいいヤツ」たちには、ニュータイプのニホン人として、これからも世界で活躍して欲しいですね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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