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カテゴリ:マラソン/山/トライアスロン
オレは日本に来てからというもの近所の公園内にある1周1.2キロくらいのコースを何周もジョギングするのを習慣にしている。アイアンマンだとかアコンカグアだとかいった目標もないので、トロトロしたペースのいわゆる健康ジョグである。
とはいえ、昨年まではけっこう本気でトレーニングをしていた走歴10年近くになるオレである。トロトロ走っているつもりでも、その辺の“にわかランナー”に追い抜かれることはほとんどない。オレより速いヤツは、しばしば夕方に走りに来る地元の陸上部のランシャツを着た中高生か、週末にグループ走をしている走友会の市民ランナーくらいである。やはり競技志向で本格的に走っている連中には適わない。 しかし、それ以外に、若い“にわかランナー”たちに抜かれることがよくある。大抵の場合、10代後半から30代前半くらいの、体力にそこそこ自信のありそうな若い男だ。道の端っこをトロトロと走っている中年オヤジのオレが前を走っているその脇を、いかにも邪魔臭そうに、力強いストライドで自信ありげに颯爽と追い抜いて行く。 そんな時オレは、しばしば彼らが5~10mくらい前に出た後で彼らの後方10mくらいピッタリついて走ってしまうことが多い。なんとなく、彼らの若さに由来する傲慢さを挫いてやりたい衝動に駆られるのである。 この若造たちは、さぞ優越感を感じて中年オヤジどもを颯爽と追い抜いて走っているつもりかも知れない。しかし、後ろから見る彼らの走るフォームはえてして若い筋力に任せた無理のある走り方で、そのスピードを数キロと維持できないような“若い”走り方であることが多い。 2周、3周と走っているうちにすぐに息が切れ(笑)、やがてトロトロ走っていたはずの中年オヤジのオレに追い着かれ、抜き返されてしまうことになるのである。 とは言え、これらの若いランナーの多くは、一旦は追い抜いた中年オヤジに抜き返されることをプライドが許さないのであろう(笑)、後方から足音が近づいてくると再びペースを上げて、抜かれまいとするのが常である。そんな時でも、オレは彼らからつかず離れずの距離を維持し、後ろからプレッシャーを掛け続ける(笑)。すると、ほとんど場合、半周から1周の間に彼らはすっかり息が切れ、諦めてペースを落としてオレに抜かれるか、コースアウトして公園から居なくなる。 こうして彼らが学ぶのは、自分が体力があるかのように思っていたのは、実は若さに由来する瞬発的な筋力に過ぎなかったということである。本当の体力というのは持久力であり、その強さ・その速さをどれだけ維持できるのかというのが重要なポイントなのである。 そして、自分の前をトロトロと走っている鬱陶しい中年オヤジと思っていた男性も、実はフルマラソンやアイアンマンを何度も完走しているベテランが健康維持のためにジョギングをしている“仮の姿”かも知れないのである。ヘンに調子に乗ってこういう人と張り合ったがために、翌日は筋肉痛でまともに歩けなく危険性があることを、若い人たちは知って謙虚に走るべきなのである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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