ロンドン在住30年を迎えた日本の大学時代の友人である
鰻坂ヒカルが数年ぶりに帰国したので会ってきた。
彼が前回・前々回イギリス人のワイフと娘を連れて帰国した時はワタシも自分の妻子を連れて会いに行ったが今年は単独での帰国である。ところで彼に
鰻坂ヒカルブログの話を振ったら「なんだっけそれ」みたいな反応をしたので、ホラ、楽天ブログで郡山ハルジとか
心斎橋ワタルとか五反田太郎とかふざけたペンネームで日記書いてたじゃんと言うとようやく思い出して、結婚して子供が出来てからはもう別人の生活なので、
それ以前のことは記憶にない、といった意味のことを言った。彼は帰国すると同じ大学時代の友人である心斎橋ワタルや五反田太郎と会うのを常としているが、今回は五反田太郎とだけ再会できたそうである。某大手広告代理店勤めだった心斎橋氏は出世していまや執行役員になってしまい、心斎橋だの殿様の生活だの言って遊んでられる身ではなくなってしまったそうである(笑)。一方五反田氏は出世したとはいえ某語学大学の教授なので比較的時間に余裕があったようである。
心斎橋氏も五反田氏もいわゆる適齢期に結婚し人の父となったため子供はもう大学生とか大学を卒業した年齢なので、20代で
日本を離れて紆余曲折を経て40才半ばにして人の父となった鰻坂とはいろいろと話が合わない点も増えてくるわけだが、鰻坂とワタシはその点、話のレベルは合うようである。要するに、日本は世界的にみていよいよヤバイ状態を転げ落ちそうな状況なのに、彼らは日本国内の話に終始して国内でしか通用しない基準で物事を語ることがどうしても多くなりがちなのであろう。まあ、もう50代も半ばになると、いまさら「グローバルな視点」もクソもないのだろう。もはや日本という国と呉越同舟というか毒をくわば皿までというべきか、この国の制度の外で何かをするという発想がもう出来なくなっているのかも知れない。鰻坂はロンドンで日系の会社の会計コンサルティング会社を経営していて、事業を売ってアーリーリタイアみたいなこともできないではないようだが、ワタシと一緒で子供がまだ小さいのでしばらくあくせくと働くつもりらしい。彼は数年前に会った時より10kgくらい痩せていて、カーボン断ちダイエットをするなど食事と健康には気を遣っているようだ。執行役員になった心斎橋も大学教授になった五反田も、子供は独立する年齢かもしれないが、定年退職とは縁のない立場なのでしばらくは現役で稼ぐことになる点ではワタシや鰻坂と一緒であろう。ワタシの同級生たちもあと5年足らずで還暦を迎える年齢ではあるが、鰻坂だの心斎橋だの五反田がテーネン退職して隠居生活を送るだなんてとてもイメージがわかないし、ワタシはまだ一緒にスタジオで殿様の生活の名曲を演奏できる日を夢見ているし、30年前のあの曲々を先日衝動的に買ったベースで日々練習しているし、在宅勤務をいいことに髪の毛もまた伸ばし始めている。