歯切れの悪い日記
昨日からこの日記のトップが「さいきんスランプ気味で歯切れの悪い郡山ハルジの日記」になっているのは、読んでいて何が言いたいのがさっぱり分からなくて、おまけにさっぱり面白くないので、いわば読む人への注意書きあるいは言い訳のようなつもりである。読んで面白くもタメにもならず、かつ書いている本人が何を言いたいのか分からないのであれば、楽天サーバのスペースや物好きな貴重な読者の時間を無駄にしないためにも日記なんて書かなければいいのだが、言いたいことがないわけではないのでやはり書いてしまう。通常だと、まず心の中に漠然と書きたいことがあって、それを文章にいろいろ表現し、書き尽くして心の中がすっきりする頃には、いちおう筋の通った日記になっていて、主張の方向もハッキリしている。さいきんの日記の歯切れが悪いのは、厳密にはスランプのためというよりも、書きたいことの多くが仕事に由来する不満に絡んでいつため、日記に書く際に具体的なことを記述できないという制約下で文章に表現しようとしているからである。さいきん自分が書きたい心中の問題は、誰が今度会社を辞めるらしいとか上司がどんな無茶を言っているとか部下が問題児で扱いにほとほと困っているとかいった仕事上の問題が核心にあるのだが、その核心の部分に言及するのを避けつつ気分的な表層の部分だけを主題にあれこれ書こうとすると、このような歯切れの悪い、何を言おうとしているのかよく分からない、不完全燃焼な文にならざるを得ないのである。たとえば、昨日のキレヤメの話であれば、今日実際に同僚や上司とどのようなトラブルに遭ってキレそうになった…というところから話が始まれば、いずれ書いているうちにだからどうしたという具体的な着地点も見えてくる。しかし、職場で実際にどんなことがあったかという核心部分を避けて書こうとすると、日記の主題は「キレヤメ」とかいったつまらないキーワードによる一般的な話にすり替えざるを得ず、しかし一方で自分が書きたいことはキレヤメにかこつけた現実の仕事に由来する自分の不満であるから、一般論や思い出話をズルズルと書き綴っても「心中の核心にある表現したい問題」にはいつまで経っても結びつかないまま、本来主張したいこととは無関係なところに不時着してテキトウに日記を終えてしまう。ちなみに、私は残業中に頭が煮詰まった状態のときに職場のpcからログインしてこの日記を書くことがたまにあるが、たとえば昨日のキレヤメの日記も昼休みに書いて会社のEメールアカウントから自分のAOLのアドレスに送信したのだが、送信後まもなく会社のメールサーバから自動メッセージが送信されてきたと思ったら、それには「あなたは会社方針に抵触する表現を用いたEメールを○月○日○時○分に、○○@aol.comのアドレスに送信しました。あなたが送信したEメールはあなたの上司に自動転送されました。」などと書かれていて、思い切りブルーになってしまった。なんせ、昨日の日記に何が書いてあったかというと、「さいきん仕事でストレスの募る機会が多く、 心の中で幾度となく“キレヤメ”しそうになってはトイレに立って小便し(中略)、やがてキレヤメが「心の中」を抜け出して「現実」になる日も遠くないのかも知れない。」…など思い切り言い放っていたからである。それが上司に転送されたというのだからこれがブルーにならずにいられるか。どうやら「小便」の二文字がソフトの“自動検閲”に引っ掛かったらしいが、もちろん問題なのは「そのうち会社を突然辞めてしまうかもしれない」といった旨のことを明言している点である。そんなソフトがインストールされていることなんて知らなかったのだが、もともと会社のEメールやpcの私用は原則禁止されていて、ほんとは仕事に関係のないEメールを送受信したことが上司に知られるだけで訓告や懲戒の理由になりうるのである。しかもそれが「職場への不満」についての記述だときた。Eメールの送信先だって問いただされることであろう。もし仮に私が「楽天広場に日記をアップしていました」…などと自白しようものなら、この鬼畜HPのことが上司に知れてしまうことも避けられない。要するに、訓告や懲戒どころか即日解雇に至ってもおかしくない条件が揃っているのである。「キレヤメ」の日記のせいで「キレクビ」というのもいいお笑い種ではないか。…ちなみに、このメールが“自動転送”された先の“上司”というのがどの上司なのかはまだ特定できずにいる。現在日本に出張中の直属の上司なのか、別の(たとえば日本語の読めないアメリカ人の)上司なのかも不明である(これが「上司一同」だったりしたらもう笑うしかない)。いずれ転送を受けた上司からEメールか電話がきて、説明を求められることになるのだろう。...ああ、憂鬱だ。…とにかく、何が言いたいかというと、このような仮名のHPで「一般的な話」にすり替えられた日記であっても、ちょっと気を許して仕事のことを日記に書いたがために、“自動検閲ソフト”のような予測せぬものがきっかけで、懲戒や解雇に結びつくことさえある、だからそもそも職場の話を日記に書くのを避けてきたのだが...ということである。ところで、そんなヤバイ自体の渦中にあってどうして相も変わらず今日も日記にこんなことを悠然と書いているかというと、まあ、問題の「上司に転送されたEメール」にはこの「楽天日記」に結びつくようなタネは一切書かれていなかったし、「あれはあとで友達に送信しようと思って自分宛てに書いたものです」とか何とか説明すればたぶん納得してもらえるだろうと踏んでいるからである。「キレヤメ」の件については、このさい正直に「いま仕事でこういう問題に直面していて実際精神的に追い詰められています」ということを話すきっかけにしようと思っている。あとは「会社のpcやEメールの私用」について注意を受けるだろうことだけは覚悟しなければならない。まあ、夕食の休憩もなしで毎日3-5時間に及ぶ残業なので、同情を買う余地はあるに違いないとは思っている。...ああ、開き直って会社のことを書くのはほんとにスラスラ書けるよなあ。