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劇場通いの芝居のはなし

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2019.05.22
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カテゴリ:演劇科の新入生に
身体感覚を鍛えるにはダンスをしましょう。マイムも良いです。

ダンスを、遊びでなく練習しましょう。楽しむ以上に、研究しましょう。
ダンス練習はとっつきやすいですし、若い人にとって身体を動かすことは単純に快感です。ポーズを決めるのも好きです。何人かで一緒に同じ動きをすることも、好きなようです。わたしはあまり好きではないのですが。コーラスでハーモニーを作る、というのはあまりしないようです。
ダンスの練習をするときに、ただリズムに乗って身体を動かしているのではなく、身体の内部のエネルギーがどのように全身に発揮されて行くか、その結果として、身体の各部分がどのように動いて行くかを、感じ取ってほしいです。

先輩や先生が踊っているのを見るとき、その先端部分、指先やつま先ばかりを見ないで、身体の中央部分を見ます。身体の中心から起動する力が、身体の先端部分に伝わって行って、指先を伸ばしたり、つま先を振り上げたりしているのです。ポーズでは、重心はどこにおかれているのか、身体のどの部分にひねりをつけているのかを見つけます。大きな動きやポーズなら、安定するために、カウンターバランスがとられているはずです。未熟な段階では難しいでしょうが、そうしたことをしっかり見て行きます。それらに注意をおいてゆくと、身体感覚が研ぎ澄まされてきます。
身体感覚は自分の状態をコントロールするために、極めて大切な道具です。調子が悪いときは、どこに違和感があるのか、どのような違和感で、どの程度の強さなのか、それがわかれば調子を元に戻せます。
無対称演技をする場合は、そこにものが見えないままで演じるのですから、身体感覚が頼りになります。だいたい、自分の身体について鈍感な役者は、ちゃんとした演技ができません。身体は外側だけでなく、内側もしっかり訓練して、コントロールできるようにします。

声に関する身体感覚を身につけるには、発声練習を注意深く行うことです。呼吸訓練においては下腹部腹筋と背筋の動きを意識します。呼吸時に腹筋が動く感覚、腰から背中に掛けての部分が拡がる感覚がいつもあるように心がけます。マスク共鳴を保つためには、顔に声がむかってゆく感覚を無くさないことです。頭部や胸部の共鳴を強めるときには、そこの部分が拡がるような感覚があります。声が前に向かって進んで行く、顔を「抜けて行く」感覚があると、声は自分から外に出て、観客に届いて行きます。
声帯を触れ合わせる訓練は、とても微妙ですから、声楽の個人レッスンで行うべきです。声帯が静かに、かすかに触れ合う感覚を持ちながら、小さな音量で、楽な音高で、やや長めの音を出し、声帯が触れ合ったまま保持されている感覚を養います。これは必ず指導者について行います。
自分が気持ちよくなるためではなく、より効果的で表現力のある声を作るために、歌の練習をします。歌の練習の時に、ブリージング(息継ぎ)の練習もしておくと良いでしょう。
by 神澤和明





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Last updated  2019.05.22 09:00:13
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