Kanaris mieux.txt.

その他大勢のコールドは、
みんなが同じに見えるように
衣装の丈やらお化粧やらをあわせる。
ひとり、私とよく似た人がいた。
顔もカラダも遠目の雰囲気が似ている。
身長も同じで、衣装交換がふたりならできる。
一度、割引がきくからと、
写真付きの会員証を貸してあげたけど、
やっぱりバレなかった。
今までに、おそろしいほど似てたのは、
NHKのシルクロードのドキュメンタリーで、
雲南か敦煌回で扇をもって古典舞踊を
踊っていたヒト。じぶんかと思った。
いや、どう見てもじぶんだった。
なんか、3度はその映像を見ている。

いっぱいいるなあ。
医局のタカハシさんとか、
3階の事務のハナエさんとか、
うちの奥さんというのもわりとある。
(アタマ、わいてるかも。想像したくない。)
カルマンさんはお姉さんとだぶると言ってたけど、
お姉さん、私の2倍ほど重そうだった。
(デザイナーとして、ちょっと不安が。)

いつだったかな。
東京で祈祷する占い師さんを紹介された。
偉い先生方が頼りにされてるとか。
長い身の上話を聞かされた。
聖徳太子の生まれかわりだと言ってた。
(最近は、安倍清明に変えたみたい）
アルバムを出してきて、別れた最初の
奥さんの写真を見せてくれた。
カノジョは僕と別れて、不幸な人生になったんだよ。
うーん、キミとよく似ているでしょ。
(いえ、ぜんぜん似てません....。)
キミも僕の言うこと聞いてないと、不幸になるよ。
(神様、仏様、アナタ様...。)
ふうう、コンピュータ占いのほうが、
よく当たっていたと思います、先生。
1回でウン十万円、1回で350円。
残念。

これも似てる似てないなのかな？
かなりすさんって猫？犬？と、
大手得意先の女性に質問された。
じつは、もんのすごく苦手なヒトだ...。
打ち合わせ中に聞くことなんかい、それ。
(ババヌキジジヌキできるなら...まず...。)
私が避けてるのわかっておられるのに、
仕事を発注してくださる...でも、さらに避けてたら、
別のデザイナーさんを通して発注してこられる。
いや、この方が欲しいのは私の作るベースだけ。
いいのです、お支払いいただければ。本当は。
でも...変えて置かれるコトバが、
めちゃめちゃに気持ちわるい。不気味なコトバ。
うう、若い女性向けの醤油ラーメンを、
おしょうゆのちゅるちゅると書いてたり...。
えらくゲバった四文字熟語とか編みだしたり...。
(あ、いや、鳥肌がたってきた。)
一度えらいめにあって、詫び状も書かされた。
その会社の皆さま、すごく心配してくれた。
(あん、ありがと。生きてます。)
私の答え。
うんっと、カニかな？なあんて。
その後、お話は肉食系かどうかにうつっていった。
アナタサマ、再婚もされてパパ違いのベビーも
ご出産されてて...はやくご帰宅されたほうが？
あと、ヒトのカラダの香りかいで、
ヘンなコトいうの。だめです、気を失いそうに。
昼間っから...いや、夜だ、すでに夜なのに。
すいませーん、この仕事、
金曜打ち合わせ月曜だしですよねーってば。


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