Kanaris mieux.txt.

チョコレート工場行きが中止になって、
逆に、あちらサマから鉄の門扉を
開いてたくさんで出て来られた。
お話しもわからないまま、
お招きされてチョコレートを語り食らふ。
配合率や製法がアレンジされたもの。
こういう官能テストは得意。
でも、かなり前に、
冷凍のカニ焼売とえび焼売の
区別はできなくて笑われたことがある。
チョコレートなら当てやすい。
箱のお話もしなくっちゃ。
ね、ぽこ版のヘビーユーザー様？
最近、スーツ着ないのですね。
やめたらだめよ。アナタサマ、おもしろい。
こういうシーンで、
むずかしいコトバってぜんぜん出ない。
ぼろぼろに、感覚コトバ。
なんか、チラリズムとか
ちょっとずつ、こうしてあける楽しみとか、
(こうして...の、動作つきなので...)
かわいい欲望くすぐる娯楽ワードになる。
その場で、おじさまおにいさまは盛り上がる。
いっしょに参加した女性の皆様は、
なんでかな。意見聞いてもらうのにチカラ使ってた。
侍女は、姫君のコトバにあいずちする。
彼女たちには、行きたいポジションがあるから。
私は主婦として、とおっしゃった方がいた。
矛盾してるのだけど最終兵器。
認知される男になろうとする彼女と、彼女と、
要求される女になろうとする私。
ずるいのかな。
もう、それが生身なんだろうけど。
ともあれ、チョコレート酔いした。

秋は、数年おきにナーバスになる。
今年はそうかもしれないな。
冬の凍てつく寒さのほうが、
じぶんに毛布かけることできる。
モノ想フコトにじぶんを忘れてしまう。

死んでしまった人のことを思い出した。
たくさん、たくさん。
16才だった彼女は、
私に笑ってためらいキズを見せた翌日、
死んでしまった。お葬式はどしゃぶりだった。
傘をさすこともできない、だって、
さしてあげられなかったから。
年上の彼女をわかるには、幼すぎた。
用もないのに会いに来てくれてた得意先の人。
転勤になって、また帰ってくると言ってたのに、
30才と少しで妻子を残して、病に伏した。
最後まで迷った。会いにいくべきか。
そうね、3日明けの徹夜で上司とケンカ。
そのまま飛び降りた若い営業の男性。
金は積まれただろう、不慮の事故。

まだ花の散るピンクのワンピースを着ていた頃、
悲しみを顔に深く刻んだ女性が、
見たことないほど驚いた顔で私を呼んだ。
まり、まりちゃん。
女性は私の肩をつかんで、
じっと顔を見つめていた。
まりちゃん、まりちゃんじゃないの？と。
もう、私は20才はとっくに越えていた。
しばらくして、首を横に振った。
そのまま女性は行ってしまったが、
しばらくして家に遊びに来た見知らぬ女の子に、
(遊んでくれと言われてヒマだったし...)
まりちゃんは、交通事故で死んだのよ。
そう言われた。でも、こどもの言うこと。
私に似てる人はものすごく多いらしい。
私もかぷりすも驚くような人さえいた。
「これ、おまえ？(絶句)」
ああ、いつかそのオモシロイお話も...。