「蟹工船」用語解説 その5 川崎船(かわさきぶね)
「蟹工船」用語解説 その5 川崎船(かわさきぶね)新潮文庫版25ページに出てくる川崎船。【挿絵は『マンガ蟹工船』(東銀座出版社)から。博光丸の片側に4艘の川崎船がへばりついている】-----------------------------------------------蟹工船には川崎船を八艘(そう) のせていた。船員も漁夫もそれを何千匹の鱶(ふか) のように、白い歯をむいてくる波にもぎ取られないように、縛りつけるために、自分らの命を「安々」と賭けなければならなかった。―― 「貴様らの一人、二人が何んだ。川崎船一艘を取られてみろ、たまったもんでないんだ。」 ―― 監督は日本語でハッキリそういった。-----------------------------------------------この川崎船を、小樽市高島郷土館のHPで調べてみると、川崎船とは(1)小樽博物館様からの聞き取り調査による名前の由来川崎船とは「かわさき衆」が乗る舟のことで、大きさ10メートル前後のものが多い。五反の帆(ほ)、六丁の櫓(ろ)が一般的です。なお、「かわさき衆」とは、河口に住み舟で漁を行う集団をさした。(2)新高島町史136ページより要約江戸時代に北陸から東北にかけ、タラ、ニシンなどの沖合漁業に使われた。当時としては比較的大型の漁船で、明治時代には帆装も様式化、廻船(海上の運送)としても使用された。明治中期に新潟県からの移住者により北海道に導入されたが、帆、櫓、櫂で操る無動力船で、エンジン船の普及にともない姿を消していった。となっている。10月3日は、「蟹工船」をみんなで観よう!!