あずさわ日記

18仮の相は

そいで迷い迷いて流転せる心は、

その信念が形と成りて仮の姿を現して居るので有って、

本当に其んな物が有るのでは無い。

と云うので　

されど如何に姿を現ずるとも仮の姿は、永遠に仮想にして実在と成る事を得ず。

そんな怪しげな狸であるとか狐であるとか、そんなもの憑いた様に見えるけれども、それは一つの迷信で有ってですね、其の迷いの影が如此く現れて見えるのであるからですね、それは本当に有るのでは無いと云うので有ります。

しかし、そう云うような迷っている変てこなものは無いけれども素晴らしい天の使いみたいなものが我々を守護して居るのは有る。

概ね祖先の霊魂で有りましてね、其れが守護して居る。

処がその守護して居おりましても我々の心の波が変わってまいりますね、此れは波長が合わなければ側に居って守って上げてやろうと思っても、護り様が無いんですね波長が合わなければ。

だから折角生まれつき天の使いが、守護の天の使いGuardian Angel と云う奴が守護しておりましてもね、それがどうも手の出し様が無い、波長が合わないから。

側まで来て居てもぴたりと合わない。

そして他の迷って居る処のまめ狸に見えたり、狸に見えたり、狐に見えたりする、其れは所謂、畜生道に堕ちている迷って居る霊魂何ですよね。

何も本当は狸が憑いて居るんじゃ無いんですよあんなのは。本当はね。

兎も角人間に狸が憑いて災いをするなんてそんな實相は無いんです。

しかし人間が畜生の心を起こすと畜生道と云うのに堕ちるんだね。

畜生見たいな境涯に成る、心の境涯が。

そすると形は心の影と云うので、まそう云う境涯になり其れが地方的迷信とくっつきましてですね、そして狸みたいな格好に格好を現す。

それは信念の影で有ると言う。信念の影。

其れが此処に彼らは第一義的実在に非らずして、

誤りて流転する信念によりて流転する迷いの影なり。

迷い迷いて流転せる心はその信念が形と成りて仮の姿を現ずべし。

されど如何に姿を現ずるとも仮の姿は永遠に仮想にして実在と成る事を得ず。

汝ら実在に非ざるものを恐るる事勿れ。

実在に非ざるものを実在せるが如く扱う事勿れ。

とこう書かれているんですね。

処で人間が死にますと。

人間は死なないけれども、肉体を脱しますと霊魂は此の盆の窪の所から、タバコの吸い殻を置いとくと煙がぶすぶすと糸の様に立ち上る。

あれ見たいにこう、ちょっと銀鼠色の霊眼で見るとそう煙見たいに、紐引いた様にずーっと立ち上がるんですね。

此処からね、盆の窪からずーと

其れが我々の死骸の上にふわふわと横たわって居りまして、

段々と凝縮して一定の形に成る。

そして下に眠っている処の抜け殻のある肉体に良く似た形に成って上に横たわる。

そう云う事に成るので有ります。

こう云う詳しいことは「人間死んでも死なん」と云う本に書かれて

居りますがね。

処が我々は物質の塊で有る、肉体の塊で有って霊魂なんて無いんだ、霊魂が無くなったら元も子もない。

と思っている唯物論者が死にますとね、すると此の肉体が死んだら大変だと思って、ぎゅーっと此の肉体にしがみ付いてる。

しがみ付いて居るから、中々霊魂が抜け難いんです。

そして我々は死ぬときは、此方から云うと死ぬんだ悲しい別れであると涙を流すけれども、霊界から云いますと今日は何の何某の誕生日であると云う事に成って居ってですね、そして祖先の霊魂なんかが産婆さんの役になる処の霊魂と一緒にまあ、ちゃんと待って居るんですよ。

処が本人は死んだら元も子もないと思うから肉体にぎゅっと執着して噛み付いて居るから中々抜けない。

此れは難産であると云う。

ね、此れらは低級の霊です。

未だ悟りを開かん処の霊です。

だからそれがですね、抜ける時に中々抜けんから難産ですから苦しい、苦しいから目を回して霊界に生まれる。

高級な霊魂はスラスラッと抜けますからね、直ぐ意識が有るんですけれども、迷って居る霊魂は目を回して霊界へ誕生する。

その間に地上では戒名を付けて名前を取り替える。

それで葬式をして焼き場へ行って抜け殻を焼いてしまう。

と焼かれた事も名前をつけ変えられた事もちっとも知らんので有ります。

それでね向こうで霊界で介抱して貰って看護して貰って目を醒ましますとね、

「おやっ私は生きて居った」

と考えるんですね。

何でも見えるですからね。

もう、肉体焼いた事も知らんし、名前を付け替えられた事も知らん。

嗚呼そこでお経聴こえて居るが、あれ誰の為にやって居るかと云う事は知らん。

ね、そんなの沢山有るんですよ。

それで何でも見えるですからね、

肉体の肉眼が有るので見えると思って要る人も居るかも知れんけれども、何も肉眼が無くとも見えるんですよ。

さっきの霊眼と云うのが目を瞑って居ても見えると云う実例が有るですね。

隣の部屋の時計が見えたり、熊本県の誰それがどうして居ると云うのが見える。

そう云う能力が霊魂そのものには有る。

ところが肉体の皮袋を被って居る場合には皮袋の中の目玉のレンズを通して見ておった。

丁度此れはね潜水夫がね、潜水夫と云うと軍艦が沈んで居るのを揚げる為に水の中に入って行くのが有るでしょう。

彼処に入って行くのには水の圧力に抵抗する為の潜水服と云う服を着てですね、そして目玉にはガラスの入った奴で入って行ってガラスを通して見てるでしょう。

処が或る仕事をすると上から引き上げて貰って、やれやれとガラスの目玉の付いた其の潜水服を脱ぐでしょう。

それでガラスの目玉を脱いでもやはり見えるでしょう。

其れと同じ事だ。

其れで我々の霊魂はこのガラスじゃない水晶体と云う本当の肉眼という目玉の付いた肉体と云う皮袋を着て、此の世の中に降りて来て居るけれども、今度此の皮袋を脱いでも又見える訳なんですよ。

ね、皮袋を脱いでも見える。

そうするとですね、見えると

「嗚呼、私は生きとった」とこう思う。

死んだら何にも無いと思っとる唯物論者ですからね見えたら生きて居ると思う。

あ、さっき迄胃が痛かったと思うとね、もう肉体は焼いて無いのに、胃袋は無いのに胃袋が有る様に如実に感じられる。

此れは夢と同じ事だ。

夢はこう柔らかい布団に横たわって居る。

其れでも飛行機に乗って居る夢を見たら柔らかい布団なんてちっとも感じないで、本当に有る物を感じないで、飛行機が如実に感じられるでしょう。

其れと同じ事ですよ。

本当は肉体は焼いてしまったんだけれども、其の夢の中で

「あ、私は胃が痛い」

と思って居るんですよ。

胃袋が有る様に感じられて、

あ～胃が痛い　痛い痛い。

助けてくれ～。

と云う。

お医者さん来て注射してくれ～

と云うけれども

誰にも聞こえんからお医者さんも来んし、

焼いてしまった人にお医者さん来たって詰まらん

から来ないですよ。

其処で助けて貰おうと思って家族の人を一生懸命念じて呼ぶんです。

声を限りに呼ぶけれども、耳には聞こえんけれども、その念波がさっとこう来てですね、

そして一番親しい人とか、一番想いをかけて居る人に罹ると云う事に成る訳なんです。

此れが

胃袋も有らざるに胃病に苦しめる霊有り。

かくの如き霊人に依れば胃病を現す。

とこう書いて有ります。

そう云う事に成るんです。

それで祖先の霊魂が胃癌で死んだ霊魂が居って、

そして霊界に行ってやっぱり胃癌の夢を見て居る。

こう云う霊魂を悟らしてやらなかったら永久に胃癌の夢を見て霊界で苦しんで居ると云うのが有る訳なんです。

そう云う霊魂を悟らしてやるのは、先ず第一に

「お前はもう既に肉体は無いのである。」

云う事を知らしてやる事が大事なんです。

肉体が無かったら胃癌が有る筈は無い。

肉体有ると思うとるから胃癌が有るんですからね。

だからこの地上に於いてもやっぱり同じですよ。

胃袋が本当に無い。

こんなものは心の影だと本当に判ちゃったらね、胃癌も何もありゃしない。

影なんですからね。

心の塊だから心の塊さえ解消したら治る、云う事になる訳なんですけれどもね。

ところがやっぱり肉眼で見えると物質と云う物が有るのであると思とって、中々これが取れない。

ところが物質の肉体を脱して霊魂だけに成って居りますとね、お前はもう既に肉体が無いので有る。

と云われると気がつき易いです。

気がつき易い。

そして直ぐ其れが判ると云う事に成るので有ります。

僕がバキュームオイル会社に勤めて居りました時分にですね、会社に勤めながら生長の家を書いて居りました。

其れから三年ばかり致しまして、そしたらバキュームオイル会社がスタンダード石油会社に合併されると云う事に成って、そして滝本銀太郎さんと云われるスタンダード石油会社の日本に於ける営業部長をして居った人がアメリカ

から出張して来た外国人の重役と一緒に、合併する処のバキュームオイル会社を見に来た。

それで此のアメリカから来た重役と日本の営業部長の滝本さんとが二人揃って、そして僕らが仕事して居る所を見に来て、ああこの人はこう云う仕事をして居るなあと。

此れは今度のスタンダードオイルでは要らん人だ。

こんな仕事は二重になるから此の人はクビと。

この人は、その人なら置いて居ても良いと云うような、そういうマークを付けて歩いたんですよ。

その時に僕も、この人はクビだと云う所に入れて貰ったんですね。

それで都合が良かった。

其れまでは私はね、二重生活を送って居りましたから、だから会社の仕事をせんならん、其処を雑誌も書かんならんから、面会人が有っても面会なんかして居る暇が無い。

それで宣伝公演なんかもする居る暇も無いですしね。生長の家を一筋にやる事が出来無かった。

ところが向こうがちゃんとクビにしてくれたから一筋に生長の家をやると云う事が出来る様になった。

それで良かったんですがね、皆さんでもクビになると良いですよ。

この頃クビが流行るそうですからね。

人がクビになる時には既にちゃんとその人に適当すところの仕事が準備されて居るんですよ。

それをねクビになった所にしがみ付いてクビにした人を恨んで憎んでそして、前へ進んで行こうとしないで、前に失ったものを惜しがって、しがみ付いていると。

丁度肉体脱げた霊魂が死んでしまった肉体にしがみ付いて居るのと同じで、浮かぶ所へ行けないのと同じで、次の新しき職業の所へすっと行く事が出来ない事に成る。

だからそう云う時にはもう、この職業は卒業したんである。

私はこの環境に於いて此の職業に於いて、この魂が吸収して、この魂が向上する為の養分は悉く吸い取って、もう此処に居っても栄養分は無いんだから神様がもっと別の所へ植え替えてやるとこう仰って私を植え替えて下さるので有る。とこう信じて次のところへ求めて居ったら次のものが出てくるとこう成るんです。