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色々と考えたこと

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2014/04/19
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カテゴリ:東アジア
1.台湾経済の発展過程
・1950年代末まで・・・輸入代替工業化政策
戦後間もない時期、台湾は輸入代替工業化を志向した。国内市場を保護し、工業部門を育成しようとし、一定の成長は達成するものの、次第に成長は鈍化していった。輸入代替工業化は成功しないことが多い。国内市場だけを相手にしていては市場規模が小さすぎて結局産業は育たず、又、中間財を輸入しなければならないため、貿易赤字も減少しない事が多いためだ。加えて、レントシーキング的な行動も増加する。国内に余程大きな市場が無い限り、輸入大体工業化の成功は困難だ。

・1950年代末から・・・輸出志向工業化政策
輸入代替工業化に失敗した台湾は、輸出志向に政策を切り替える。為替レートの一本化/切り下げ、輸出加工区の設置等の保護政策+輸出促進政策により、輸出産業の発展を促した。海外からの直接投資も積極的に誘致し、輸出型の労働集約型産業が発展、高度成長を達成し、失業率の低下、所得分配の改善を達成する。この時期までの台湾の競争力は、安くてそれなりに優秀な労働力だった。

・1970年代・・・重化学工業化と中小企業の発展
現代の中国がそうであるように、台湾も成長に伴い賃金が急速に上昇していった。次第に、安い労働力を主体とした産業は競争力を失っていく。それまで台湾政府はあまり産業に介入しない方針だったが、この時期になって、政府主導の重化学工業化を進めていく。この時代に台湾政府が産業に積極的に介入した理由は、米中接近による台湾の国連からの「退席」や日本との断交による正当性の欠落を補うためだったと言われている。石油化学、鉄鋼は輸出産業への中間財のサプライヤーとして成功するものの、造船業は失敗だった。基本的にはこの介入は失敗か、効果が無かったという評価がされている。

一方で、民間では中小企業が発展していく。中小企業の分業ネットワークが密になると同時に広がりを見せ、労働力の有効利用、企業間でのリスクシェア、選択と集中による知識の効率的な蓄積等を通じて、台湾産業の発展を促していった。この中小企業の発展が1970年代-1980年代初めまでの台湾産業を牽引した。

・1980年代・・・輸出志向工業化の成功による退場
台湾経済は輸出志向工業化に成功した。成功したからこそ、この時期、台湾の産業は為替レートの切り上げ(貿易黒字の増大による先進国との貿易摩擦による)、賃金の上昇、環境問題などの深刻化と住民意識の向上等を通じ、苦境に陥ることになる。

・1990年代・・・労働集約型産業の海外へのシフトとハイテク産業の発展
1990年代に入ると、中国への渡航が実質的に解禁されたこと、貿易黒字対策として外貨規制を解除したことにより、労働集約型産業が一気に海外(主に中国)へシフトしていく。一方で、工業技術研究院(台湾政府の技術研究機関)が台湾の半導体産業の基礎を築き、パソコン/半導体産業の受託業(OEM/ODM/EMS)が発展していく。この時期、台湾産業は急速に製造業の構成を変化させ、1991年には製造業の19.3%しか占めていなかった電気電子分野が2001年には34.3%を占めるようになる。

・2000年代・・・中国との関係の深化
2000年代に入ると、中国と台湾の関係は一層強固なものとなっていき、中国との貿易は急速に増大していく。2000年には輸出のうち25%が中国/香港向けだったが、2010年には40%を超える水準となった。なお、このうち香港向けの輸出の絶対量はほとんど変化していないため、増加分は基本的に中国本土に対するものとなっている。また、台湾からの対外直接投資も、2000年-2012年までの累計は2000年までの累計の4倍近く(1200億USD超)となっている。

2.台湾は中国に飲みこまれるのか?
今後10年-20年程度のスパンで考えるなら、台湾が中国に飲まれる可能性は小さいだろう。台湾には民主主義が根付いており、あまりにも中国とは政治体制が違いすぎるというのが支配的な意見だ。香港の「1国2制度」式の統治も、基本的には経済的に二つの制度を持っているという意味であり、北京が最終的な決定権を持っていることに違いは無い。それは台湾には受け入れられないだろう。また、香港でさえ、最近は中国への反発が強くなっており、自分たちは「ホンキー」であって「チャイニーズ」ではないという意識が強くなっている。事実、先日の台湾の国会の騒ぎには香港人も参加していたといわれている。経済的な深化を続けても、あくまで別の政治体制。。。というのがしばらく続くのだろう。





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Last updated  2014/04/19 08:46:26 AM
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