韓国の危機感
【コラム】韓国が「アジア版クリミア半島」にならないためには・ロシアの行為は兵力を用いた侵略行為である・米国が明確に対抗できないのであれば、中国や北朝鮮の軍事力行使の遠因になる可能性・韓日関係を改善し韓日米が行動を統一することが、中国に対抗するためには必要・所感クリミアの問題は、確かに米国の内向きさを示していると思うが、東欧と東アジアでは米国にとっての重要性が違う。冷戦時代、ハンガリー動乱の時も米国は宥和的な態度を示した。米国にとって戦略的重要性が比較的小さい東欧にわざわざ軍隊を送り、米国民が死ぬ可能性を負うことは許容できないのだ。また、確かにロシアは今回実力行使をしてるが、一方で民族自決という大義名分を持っている。「自決権という修辞で包んだが、国際社会の規則と規範に露骨に違反したという事実には変わりがないだろう」とのことだが、その修辞があるかないかでは随分事情が異なる。特に、住民の支持の有無は、支配後の統治にまで考えを巡らせれば、コストが全く違ってくる。以上を踏まえると、この記事は大げさなものだと思う。しかし、注目すべきは、こういった大げさな記事が出るくらい、韓国が中国に対し危機感を抱きつつあるということ。これ(韓国、安倍首相への批判トーンを緩和)もそういった危機意識から来た部分はあるだろう。虎の威を借る狐が、実は自分が虎に食べられるかもしれないことにようやく気づき始めた、という感じか。