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2008年12月26日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2008 TBS 
出演者:ビートたけし、阿部寛、市川団十郎、野村萬斎、西田敏行、高橋克典ほか
165分(CM込) カラー
 


 2008年12月24日にTBS系で放映されたドキュメンタリー風ドラマ。3月10日に放映された「シリーズ激動の昭和 3月10日東京大空襲語られなかった33枚の真実」とシリーズ激動の昭和として制作された。約5時間にわたる放映で前半はドキュメンタリー、後半に本作ドラマが放映された。
 主に日米開戦を巡る政府、軍部の動きを捉えたもので、どこに開戦の戦争責任があるのかといった問題にクローズアップしていく。ドラマは、宰相東条英機、その懐刀であった陸軍軍務局軍務課員石井秋穂中佐、前首相近衛文麿、徳富蘇峰を中心に、架空の新聞記者を介在させることによって取材という形式で掘り下げを行っている。

 ドラマでは悪名高いTBS制作ということもあり、思い切り軍部批判に終始するのかと思いきや、意外にまともな出来に驚いた。不謹慎かもしれないが、直前に亡くなられた筑紫哲也氏が登場しなかったのが良かったのか、全般に左がかった批判的雰囲気が一掃されており、相変わらず取材の浅さと的はずれさは色濃く残るものの、決めつけ的な誘導がないのが好感だった。
 何と言っても、戦争責任や開戦責任について、無為に軍部や政府に求めるのではなく、マスコミや国民世論そのものにも責任があることを明瞭に示した画期的作品であったことが評価できる。現代の政治家批判や官僚批判に見られるように、不満のはけ口を実像のない責任者に押しつけて満足するのと同様、戦争責任を特定の個人に押しつけて解決を図ろうとする、これまでの風潮に一石を投じるものと言える。開戦責任や意志決定が特定の個人の悪意で行われたのではなく、国民世論やマスコミの論調によって強く影響されていたことは、古くから指摘されていたことだが、こうした大衆ドラマとして表現できたのは喜ばしいことだ。
 国民を多大な犠牲にさらしたのは国民の世論であり、戦争を推し進めたのも、止めることができなかったのも国民の責任であって、軍部や政府に責任を転嫁しても同じ過ちは再び起こる。軍部も政府も一国民から成り立っているのだから。そう言う意味で、世論というものの影響力の強さを、その世論を悪意にも善意にも誘導しうる唯一の機関マスコミが取り上げたことは評価に値するだろう。今後、こうしたマスコミ総括的な内容が増えることを望む。

 さて内容だが、ドキュメンタリー部分も含めて東条家、近衛家などの関係者への取材を行っているが、その成果が十分にドラマに生かされているようには思えない。 東条英機、近衛文麿の知られざる素顔に迫ると言った点では非常に興味深いのだが、それを検証するための論拠に浅く(もしあったとしても映像で示していない)、不信感を抱く。また、軍務局の石井中佐を中核に置く手法は1991年放映のNHKスペシャル「御前会議~太平洋戦争開戦はこうして決められた~」でもあったので、オリジナリティ性はちょっと薄いイメージ。まあ、そもそもかなりの箇所で脚色しているようだから、楽しんで開戦裏話を学習しましょう的なものとしてはそんな程度か。そう言う意味では、陸軍参謀総長杉山大将以外は悪者に仕立て上げなかった(笑)のは、各人の解釈余地を与えたということで良かったのだろう。

 ドラマとしての出来だが、キャスティングがいかにもお粗末。ビートたけしの東条には笑ったが、石井中佐の阿部寛・・・でかすぎないか(笑)。野村萬斎の昭和天皇も元気いっぱい・・・。キャスティングのせいで、思い切りリアリティに欠ける雰囲気になってしまったが、逆にこれはフィクションドラマを多く含んでいることを思い出せる効果もあるかもしれない(笑)。

 全般に、適度な緊迫感とテーマ性が表現されていて楽しめた。ただ、TBS的にはこんな評価に落ち着いてしまって、良かったのだろうか(笑)。

TBS公式 

興奮度★★★
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★★



陸軍省軍務局と日米開戦


東條英機と天皇の時代





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最終更新日  2008年12月26日 09時18分24秒
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