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2009年08月19日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ2007 台湾・アメリカ 監督:アン・リー
出演者:トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン ほか
158分 カラー LUST CAUTION


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 第二次世界大戦時の上海・香港を舞台に、中国人女学生の主人公が日本と接点の強い特務機関員を暗殺しようと接近するが、次第に男女の情愛に流されていくというスパイもの。濃厚なセックスシーンを交えた恋愛ヒューマンドラマとなっているが、背景には抗日活動や泥沼の中国内紛があり、社会派ドラマとしての視点も多少は感じられる。
本作は張愛玲の原作を映画化したもので、主役の女性スパイは一説に寄れば鄭蘋茹(テン・ピンルー)をモデルにしているとも言われる。だが、かなりの部分で創作されているようなので事実上フィクション映画と言えるだろう。

 いわゆる日本軍が事実上支配した上海を主たる舞台としているため、抗日や反日などのひどい描き方がされているかと思いきや、そうでもない。確かに図々しそうな日本兵や脳天気な日本人も登場するが、悪玉というほどでもない。主人公らの悲惨な人生の背景には日本軍の上海占領があるのだ、と自虐史観的に見るのも一興だが、むしろ中国の内紛や覇権争い、エゴイズムが如実に描かれていると言った方がいいだろう。主人公らはいわゆる蒋介石の国民党派スパイに属するが、敵対するのは親日派の南京政府汪兆銘(汪精衛)の重臣だ。抗日活動と銘打ってはいるが、事実上の内紛であり、本作には中国共産党がほとんど登場しないものの、実際には三つ巴の骨肉争いが続いていたというのが実情だ。むしろ日本軍による上海進出より遙か以前から中国国内の凄惨な権力争いはあったのであり、むしろその行為そのものが列強の進出を促したのだ。

 さて、本作は中国映画にしては過度な中国人美化や歴史捏造が余りないなと思ったが、実は監督は台湾人だった。なるほど、だから国民党が主役なのだな。赤軍や共産党がまるで出てこないのはちょっと違和感があるし、中国人を鬼畜以下としか見ていない英仏米の共同租界の描写も欲しかったところだが、まあこれはこれでいいかもしれない。
 興味深かったのはやはり中国人気質の描写だ。話の展開にいささか短絡性を感じるのは、中国人の思い込みや気性の激しさが現れているからだろう。良く言えば行動的、情熱的とでも言うのだろうが、反面残虐性や強欲さとなって現れている。
 また、抗日活動と言えば最近では日本軍の悪事に対する美化の代名詞のようになってしまっているが、実際はテロ行為そのものなわけで、現代社会だったら絶対に許されるべき行為ではない。抗日行為と呼ばれた裏でどれだけの不正な殺人、掠奪、裏切りが行われたかを知る上で、本作は興味深い描写が多々見られる。どちらが正しいと言うつもりはないが、日本人との正義感、道徳観の違いを大いに感じるのだ。中国の正義感では嘘、裏切りはさほど重視されない。現在の中国政府を見ればわかるとおり、大義のためならばどんな嘘や裏切りも必要悪になっていくのだ。そう言う意味では、主人公のチアチーがスパイ活動のために処女を捨てるのも、誰も止めようとしないのも、日本人にとってはかなりの違和感を感じるはずだ。

 ストーリー全般としては比較的良くできている。若干長尺なために、冗長感は否めないが、美しい映像と音楽でそれをカバーしている。主役のタン・ウェイ、トニー・レオンの演技も素晴らしく、全編に渡る目力演技は斬新だ。視線と目の感情表現で次の展開を読ませるあたり、ただ者ではない。体を張った命がけのスパイ行為の中、次第に男女の情と肉欲に翻弄されていく過程も良くできている。分かり切った展開でありながら、二人の目の表情が変わっていくのが手に取るようにわかるのだ。ただ、スパイ行為そのものが学生のお遊びの延長だったり、作戦が稚拙だったりとやや間抜けな設定になっているため、せっかくの演技に深みを与えることが出来ず、感情移入しづらかったのは減点要素。
 また、何と言っても本作の目玉はセックスシーンか。新人女優タン・ウェイの脱ぎっぷりも見事だが、あの手この手の斬新な体位にも驚かされる。ただ、前戯が余りないのと(笑)、直接的すぎる表現はいささか官能性に乏しいか。むしろ行為に至るまでの過程を濃密にした方が効果的だったか。日本人ならやっぱり日活好み?(笑)。なお、タン・ウェイの裸体は黒木瞳似でやや貧弱。脇毛は黒木香(爆)。

 全般に見れる部類の映画ではあったが、思ったよりも社会派の切り口が甘いのと、中ダレした部分があるために大作とまでは言えないレベル。結局、見終わった後に語るべき内容がなく、「裸」の話題性しか残らないのだ。中国人、台湾人にとっても今ひとつ乗り切れない内容だったんじゃないかな。
 

興奮度★★★★☆
沈痛度★★★★
爽快度★★
感涙度★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 南京政府汪精衛の特務機関長易(イー)夫人のもとで麦(マイ)夫人、馬(マー)夫人らが麻雀をしている。易が家に戻ってきたのを見て、マイ夫人は中座し喫茶店から二番目の兄宛に電話を入れる。作戦の開始の合図だ。
 4年前、日本軍の進出から香港に逃れてきた女学生王佳芝(ワン チアチー)は、女友人とともに同じ大学生のクァンに演劇部に誘われる。クァンは抗日活動に興味を示しており、抗日劇を上映することで募金を集めようというのだ。チアチーは主演に抜擢され、上演は好評のうちに終わる。
 クァンはもっと抗日活動に参加したく、兄の知人ツァオが対日協力者の易(イー)のもとで働いていることを知り、彼を使って接近し暗殺することを計画する。大学の演劇仲間らはその行動に賛同し、チアチーが貿易商麦の夫人役としてツァオの紹介でイー夫妻に接近する。イー夫人はすぐさまマイ夫人のチアチーを気に入り、チアチーは度々イー家に出入りするようになる。だが、なかなかイーには接近することができなかった。
 ようやく洋服の仕立てを見るという名目で、チアチーはイーと二人きりになることができる。イーは食事の後チアチーの家に立ち寄るが、慎重なイーはあと少しのところで帰ってしまう。家の中で銃を持って待機していたクァンらは落胆するが、次の機会はきっと性交に至るだろうとして、処女のチアチーは唯一性経験のあるリャンと性交の練習を始める。だが、イーは上海に戻ってしまうこととなり、彼らの作戦は無駄に終わった。だが、その時家にツァオがやってくる。全ての策略を知ったツァオは恫喝に入るが、クァンらはツァオを殺害してしまう。
 散り散りになった3年後、チアチーは上海の叔母の元で細々と暮らしていた。クァンと再会したチアチーは3年前自分たちの子供じみていた行動が全て国民党に監視されており、後始末も国民党がやったことを知る。クァンは国民党のスパイ工作員呉(ウー)のもとで活動しており、チアチーに再びマイ夫人としてイーと接触するよう頼む。
 特務機関長になったイーと再会したチアチーは、ついに別宅でイーと性交に及ぶ。半ば強制的に犯されたチアチーはイーの信頼を得ていく。イーはゲリラの拠点を急襲し、組織も危機感を抱き始める。チアチーやクァンは早期の暗殺を要望するがウーはチアチーに略取された兵器の行方を追うように指示する。しかし、チアチーは精神的にも肉体的にも限界に近づいていた。
 料亭で密会したチアチーはイーに手紙をハリド・S・ウディンに届けるよう頼まれる。ウーらは手紙を開封するが一枚の名刺が入っているだけだった。ハリドの店に手紙を届けると、店主から宝石の指輪を差し出される。イーが密かに注文していたのだ。イーの気持ちに心が揺れるチアチーは6カラットのダイヤを選ぶ。
 いよいよ作戦決行の時が訪れ、麻雀を中座したチアチーはクァンに電話を入れ、イーと落ち合う。そして宝石店に向かうが、そこが暗殺舞台となるのだ。イーの気持ちに感極まったチアチーはついに「逃げて」と暗殺を暴露する。一目散に逃げるイー。チアチーやクァンらは一網打尽にされる。秘書の張はチアチーらの素性を知っていたがイーには知らせていなかったのだ。イーは苦渋の顔でチアチーらの処刑書類にサインをする。そして採石場でチアチーらの処刑が実施される。





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最終更新日  2009年08月19日 22時55分44秒
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