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肉
もみしごく 肉 汗 蛇口をひねったかのような 汗 皮膚のなかにかくれている しこりたちをつかまえて コリコリとつぶしていく うめき声 かまわず しこりをつぶしつづける 客からは 手荒らすぎるとクレームがくることがあるが それならば 俺のところではなく街のアンマ屋にでもいけと つっぱねている それでも わかる客が ぽつりぽつりと訪れるので 薄皮一枚でくいつないでいる マッサージってのは肉を奏でる音楽ようなもんで 肉と肉のあいだにある 旋律をつむぎだしてやる行為だ 肉が踊る 肉が躍動する 人間は肉のオーケストラみたいなもんで いたるところに楽器がひしめいている 俺はただ 肉の楽器の調律をしているだけだ わかる客は いい楽器をもっている もみしごくとコリーンコリーンといい音をだす 俺はただそれをメジャースケールにあわせていくだけ 半音と半音のあいだにあるわずかな肉加減 そいつをマッサージングしきれれればまず一人前といっていいだろう それがわからねぇんだったら ほかをあたってくれ 俺は肉屋じゃない マッサージ屋だ…… マッサージ☆トムだ いらっしゃいませ☆ ありがとうございやす☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年11月12日 22時01分51秒
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