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カテゴリ:北斗七星
きょう8月8日は「ひょうたんの日」。数字の8が瓢箪の形に似ていることから定められたらしい。今は水分補給にペットボトル飲料は欠かせないが、古くは瓢箪に水を入れ持ち歩いた◆
瓢箪には逸話がある。織田信長の稲葉山城攻略。8月、不可能とされた城の背後の急峻な山を下り、最初に城内に突入した木下藤吉郎(後の豊臣秀吉)が主君・信長から馬印を許された祭、選んだのが竿頭に掲げた瓢箪だった。味方に勝機を知らせたものだ。近世には、地震の原因とされた鯰を瓢箪で押さえる絵が描かれた◆
片や食物としての瓢箪は案外知られていない。実は1万年の歴史を持つ最古の栽培植物なのだ。滋賀県の粟津湖底遺跡でも、約9600年前の瓢箪を発見。日本に野生種が自生していないことなどから、人手を介して栽培された証拠となった◆
水筒や装飾品のほか、インドなどでは楽器に加工。インカ帝国以前のペルーには代用骸骨として手術に使っていた歴史があり、中国では漢方薬に。用途は20分野に上る(湯浅浩史著『ヒョウタン文化誌』岩波新書)◆
そういえば、吉田兼好は『徒然草』(河出文庫)で、驕りを打ち払う賢人の例として、瓢箪を捨て、手で水をすくい飲んだ中国伝説上の人物を挙げていた。瓢箪一つにも奥がある。続く炎暑。身を修めつつ、前進を重ねたい。
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Last updated
January 12, 2019 04:30:04 AM
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