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カテゴリ:医学
情報伝え、強力な異物への総攻撃 ◆順天堂大学准教授 竹田和由 「自然」と「獲得」の協調 体を守る免疫は、性格の違う「早い、安い、そこそこうまい」自然免疫と「遅い、高い、うまい」獲得免疫で構成されていますが、このふたつが強調して働くことが大切です。 私たちの体は生活の中で常に異物にさらされていますが、それらが全て病気の源となるわけではありません。弱くて少ない数の異物に二は常に自然免疫働いて除去していますが、私たちはそれを実感していません。時折やってくる病気の源となるような異物(毒を出したり、増えるのが早かったりする異物)には、力の弱い自然免疫だけでは対応できず、体の中で増殖を許して、(感染して)しまいます。この時、樹状細胞と呼ばれる細胞が自然免疫から獲得免疫へ、異物の情報を持って伝令として走ります。 これを受けて、獲得免疫の司令塔、「ヘルパーT細胞」が活性化し、がん細胞や感染細胞を殺す「キラーT細胞」や異物に対する抗体をつくる「B細胞」を活性化させ。異物への総攻撃が始まります。そして、この獲得免疫の力で病原体が体から完全に排除されると、病気が治るのです。 治った後、獲得免疫は異物の記憶を持ったまま休眠状態に入りますが、二度目の進入時にはすぐに目覚めて速攻で総攻撃を加え、迅速に異物を排除します。ですので、私たちは通常、同じ病原体による病気には二度はかかりません。 侵入した病原体を体から完全に排除するには、自然免疫の活性化から獲得免疫の活性化が起き、抗体ができなくてはなりません。風疹、インフルエンザ、新型コロナウイルスなどは、抗体ができて病原体が完全に排除されるのに発病から10~14日かかるので、その期間は会社や学校に出ることが止められます。病原体の寿命によって日数が決められているのではありません。
【免疫力を上げよう!4】公明新聞2021.4.8 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
April 28, 2022 05:04:23 AM
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