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カテゴリ:医学
NK細胞の活性が上がるかは不明 ◆順天堂大学 准教授 竹田和由 笑うこと 笑うとNK細胞の活性が上がるという説は、科学的には簡単に判断できません。笑ってもNK活性は変化しないという論文が、上がるという論文と同じくらいの数があるからです。 どちらも同じようにお笑い番組や漫才、落語を見た前後で採血してNK活性を測定し、評価する点は共通しています。しかし、笑いの評価法が違います。 NK活性に変化がないとする論文では、顔に電極をつけて表情筋の動きを調べたり、頭にセンサーをつけて脳の反応を調べて笑いを評価しています。 一方で、笑うとNK活性が上がるという論文では、アンケート、つまり自己申告で笑いを評価しています。さらに、笑うとNK活性が上がると主張している人たちは、お腹を抱えて声を出して大笑いすることを推奨しています。 すなわち、笑ってもNK活性に変化がないとするグループは、ほほ笑み程度の笑いでも笑いとしているのに対して、NK活性が上がるとするグループでは笑いのみを笑いとしているのです。 お笑い番組や漫才、落語の間中、続けて大笑いしているわけではありません。適当な休みを取りながら大笑いを繰り返しているので、腹筋を使う軽い運動を取りながら程度に行っていることになります。また、大笑いはストレスの発散にもなります。それでNK活性が上がらないはずはないといってもいいくらいです。 ストレス発散という意味では、感動的な映画で大泣きすることでNK活性が上がる可能性も示されています。ただ、この場合は見る映画の選択が難しそうです。本当に悲しくなる映画では、プラスとマイナスの要素が同時にあるので、バラツキの大きい結果になることが予想されます。
【免疫力を上げよう!11】公明新聞2021.8.26 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
November 2, 2022 05:58:22 AM
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