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今日は狂犬病予防注射と獣医師のかかわりとその問題点について考えてみます。
現在、狂犬病予防は各市町村の管轄になっています。 市町村が地元の開業獣医師と契約し、 開業獣医師が市町村の依頼を受けて狂犬病予防業務を行っています。 春先に地域を巡回する集合注射や動物病院で行われている狂犬病予防注射がこれにあたります。 僕自身も大津市との契約の元、狂犬病予防注射業務を行っていることになります。 開業獣医師には注射を打つことによって注射料という技術料が利益として入ってきます。 なぜこのようなシステムになっているかというと 狂犬病予防注射を犬に打つ行為は獣医師免許がないとできないこと そして対象となる犬の数が非常に多いことが大きな理由です。 獣医師が注射を打つことで予防頭数が増え、 それにより獣医師が利益を得る 予防頭数が増えることにより、行政はしっかりとした犬の把握ができ大事が起こったときには適切な対応が取れる ここでひとつの矛盾が生じてきます。 獣医師は注射をすることが仕事です。 注射は獣医師しか打てないからです。 予防注射を推進、広報するのは行政の仕事です。 獣医師は行政の指示に従って注射を行うことが原則となるわけです。 しかし、より多くの犬に接してるのは獣医師であり 獣医師が推進すれば注射予防頭数が増え、行政もしっかりした管理ができます。 ようするに獣医師の裁量で注射頭数を増やすことが可能になるシステムなのです。 各市町村は独自に狂犬病予防注射の推進、広報を行っています。 ただ、獣医師も予防注射を推進することが可能であるがため 我々獣医師のモラルが大きく問われるシステムであるということになるわけです。 獣医師は多くの犬に注射をすれば多くの利益を得られます。 しかし、利益を生むがためにのみこの業務を行うことをやってはならないのです。 少なくとも行政の意向および指示にしたがってこの業務を行う必要があります。 ほとんどの獣医師は理念を持ってこの業務を行っています。 しかし、残念ながら一部の獣医師は営業行為として業務を行っていることも事実です。 行政がかかわらないところで犬を集めて集合注射もどきの注射行為、 訪問注射の乱発(往診による注射業務自体は悪いことではありませんが、 一日中注射に走り回っている獣医師もいると聞きます)など、 獣医師としてのモラルに欠けた悲しい行為です。 獣医師は飼い主に対して狂犬病予防注射の主旨をしっかり理解してもらった後業務にあたることが非常に大事な事であり、 必要以上の推進、広報活動をしてはならないということです。 現在のこのシステムが狂犬病予防法を支えているシステムであり、 我々の命を守っていることは間違いのない事実です。 今以上の狂犬病予防法ができ、 より動物に優しい予防システムができることが今後の課題であり 希望でもあります。 3日続けて、狂犬病予防注射について思いつくところを書く綴ってみました。 細かい部分ではまだまだ抜けていることは多々あると思います。 そのあたりはいつか機会があれば書いていきたいと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/08/05 08:55:39 AM
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