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かりゆき日記

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2010.08.08
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カテゴリ:カテゴリなし
インターハイの卓球競技が行われているのは宜野湾市で
まさに、あの普天間飛行場がある場所だったりするわけで
その、噂の現場を見に行くのか
それとも、太平洋戦争末期の沖縄戦での史実をいまいちど
現地で感じに行くのか、ちょっと迷ったんだけど
まだ、貴重な自由時間は3時間ちょっとあるし
ま、お金もちょっと多めに持ってきてるし
結構時間もかかるし、お金もかかるけど、
首里城からタクシーで、糸満市にある平和祈念資料館へ行くことにした。

てくてくと首里城の下の方へ歩いていって、
ファミリーマートでカップ入りのかち割りを買って
昨夜、寝酒として買ったけど結局飲むヒマもなく眠ってしまってそのままだった
リザーブ&ウォーターをくぴくぴと注いで、ストローで飲みながら
タクシーを捕まえる。

「平和祈念資料館見てから宜野湾市のコンベンションホール行きたいんですけど...」
と言うと、その個人タクシーのおじさんはちょっと困ったように
「あー、わたし午後から予約入ってまして...ただで良いんで国際通りまで行きますんで
 そこで別のタクシー乗れますかねえ?」とか仰る。
いや、それだったらそこまでのお金は払いますけど...というと
「いやいや、先生、いいですよ、友達のタクシー呼びますんで、あの、安くやらせますから」
と。ま、ちょっとラッキーなので、「じゃあ、お願いします」と。

てか、先生って...そりゃ、インターハイやってるからあっちこっちに先生いるけどさ。
と思ったけど

昨夜のおいらは、仕事してて、業界の飲み会に出席して、そのあとまた会社に戻って仕事して
そこからタクシーに乗って新幹線に飛び乗ったわけで。

実は着ている物は、金曜日着ていた物を、京急蒲田のホテルでジャブジャブと洗って
そのまんまな訳で

半袖の、白無地のコットンのYシャツ。
濃紺のズボン。そしてデイパック。

うん。いかにも、公立学校とかの先生っぽい感じだ。
めんどくさいから、そういうことにしておこう。

国際通りで待っていてくれた、別の個人タクシーに乗り換えて
那覇市を抜けて、ゆるやかな丘をいくつか越えていくと
見渡す限りのさとうきび畑の、きわめて穏やかな風景が広がる。
基地問題でいろいろ騒がれているものの
那覇より南側には米軍基地はほとんどないそうで
「正直、ちょっと温度差もあるのも、また事実なんですよね」なんだそうだ。

三沢に行ったときもちょっと思ったが
日本の領土内に、基地という形で「アメリカ合衆国の法律だけが適用される場所」が
いくつもあることには、軽く違和感を感じるものの
それがある町の一部が、基地の存在によりいろいろ成り立っているのもまた事実で
運転手さんの親戚のおばちゃんも、基地内のファーストフードで働き始めたのをきっかけに
英語を学び、いろいろチャンスをつかみ、やがて米軍基地そのもので働くようになり
結局、定年まで働き続けたのだそうで、
その収入は、沖縄で普通の仕事をしているよりも少し良かったのだそうだ。

「いろいろね、複雑なんですよ。基地問題は。」
「自民党がね、何十年もかけて地元と交渉してきてね、ちょっとづつやってきたけど、それでもすぐは解決しなくてね。」

「民主党や社民党が普天間のこと言い始めたときは、そりゃおれもちょっと期待もしたけどさ、なんか秘策でもあるんかなって。でも、がっかりしちゃったよな。」

「結局、そんな簡単じゃないんだよね、基地の問題ってね。だから、いまはもう、みんなしらけちゃってるんじゃないのかな」

淡々と、タクシーの運転手さんは話している。

空は、また少し曇ってきて、だんだん雨が降り始めてきそうな感じ。
ストローで飲むウイスキーで、ちょっと酔っぱらってくるんだけど
そんな運転手さんの話は、そうは言っても、重い物だなあ...と。

やがて、いくつかの建物と、塔のようなものが見えてくる。
そろそろ、平和祈念公園に着くらしい...





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最終更新日  2010.08.15 22:50:54
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