ドイツでマルチリンガルを育てる

2007/01/10(水)23:31

ドイツの健康保険と児童手当

出産(23)

今日は、今年初のコーラスの練習日だった。私たちのコーラスは、6割が駐在員組、4割が国際結婚組になっている。駐在員組の人たちは、ほとんど、この年末年始日本に一時帰国していたようだ。会社から帰国費用がでるそうで、全くうらやましい話である。一時帰国組は、全員日本で美容院に行ってきたようで、新しいヘアスタイルになっていた。夏休みに帰国してしまって、年末年始はヨーロッパ内を旅行したと言ってた人もニューヘアスタイルになっており、「デュッセルドルフの日本人美容師さんに切ってもらったの。」と言っていた。昨日の日記の続きではないけれど、みんなで「やっぱり、日本人に切ってもらうのが一番!」という話になった。さて、このコーラスグループの中で、現在妊娠している人が私も含めて4人もいる。私以外の3人は駐在組の人達で、通っている産婦人科や出産予定の病院が私だけ違う。あとの3人は、家もすぐ近所同士だし、うらやましい。そして、私との決定的違いは、彼女たちは「プライベート保険」加入者であり、私は、「公的保険」加入者であること。彼女たちの診察内容と私の診察内容が微妙に違う。公的保険だから、医者が手を抜くとか、順番待ちをさせられるとかはないが、例えば、超音波検診は、私の場合、毎月はしてもらえないが、プライベート保険だと毎月してもらえるそうだ。公的保険では、出産時の入院日数は、最大5日間と決められているし、個室になることはないが、プライベートでは、個室をあてがってもらえるなどの差がある。少数だが、プライベート保険の人しか相手にしない医院もある。プライベート保険は、家族一人一人が加入することになるので、扶養家族が多い場合は、公的保険の方が断然お得。しかし、独身貴族だったら、プライベート保険の方が得になるそうだ。プライベート保険の方が、カバーしてもらえる範囲が広いが、一旦、プライベート保険に加入すると、年収が減ったなどの理由がない限り、公的保険に切り替えるのが難しいと聞く。公的保険でも、子供の診察、薬代はすべて無料だし、出産にかかわる費用も無料になるので、今まで、不自由を感じたことはない。でも、駐在員組の人の話を聞くと、「あら、結構違うのね。」と思うこともある。今年の1月1日から、「Elterngeld」と呼ばれる新しい法(?)が施工された。「Eltern」は「親」、「Geld」は「お金」の意味。去年の12月31日生まれの子には適応されないので、どうにかして1月1日以降に子供を産もうと作意する親がたくさん出るのではないかと心配されたようだが、実際にはあまりそういう話は聞かなかった。(ドイツでは、今までも、所得の高低にかかわらず、一律に、第1子、2子には、一人月々154ユーロ(約2万3千円)、第3子以降にはそれ以上の児童手当が支給されていたが、「Elterngeld」は、児童手当とは別途支給されるもの。)「Elterngeld」とは、親が働いている場合、1年間、育児休暇をとっても、収入の67パーセント、もしくは、最大で1,800ユーロ(約27万円)の月給が保証されるという制度。母親だけではなく、父親でもいいし、交代にとってもいいようだ。これは、日本と同様に少子化に悩むドイツ政府が、北欧に見習って導入したもの。(北欧では、この制度を導入後、出生率が上がったそうだ。)私の場合、専業主婦でもともと収入がないので、別にこの制度が導入されても恩恵はないので、あまりこの制度に関心がなかった。しかし、収入のない親にも、児童手当とは別に、育児手当として一律で、月々300ユーロが24ヶ月間に渡って支給されるという記事を昨日読んだ。賢浩の時もこの育児手当は支給されたが、ある程度の年収があると、6ヶ月しか支給されない。低所得者は、24ヶ月支給してもらえるので、低所得者ほど子だくさんという現象も生まれた。私たちの場合、夫がイギリスで働いているし、私は日本国籍なので、どうなるのかわからない。私たちは、固定資産税は支払ってはいるが、所得税は今年からドイツ政府には支払っていないことになるので、いろいろなお金が支給してもらえるのかわからない。でも、イギリス政府からは何もしてもらっていないんだけどなー。お金がもらえるのはうれしいけど、それだから子供を産むというのは、いやな考え方だと思う。「Elterngeld」の記事を読んでいたら、「第1子が生まれた後、24ヶ月以降36ヶ月以内に第2子を産むと、更に6ヶ月間のボーナスがもらえる。」と書いてあった。私のドイツ語の読解力が間違っている可能性もあるのだが、もし本当だとしたら、なんかいやな制度だなーと思った。

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