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国立新美術館で「加山又造」展を観た。
加山又造を初めて知ったのは、今から30年ほど前のこと。 当時、勤めていた会社の上司が、昼休みに高島屋で 開催されていた展覧会に連れていってくれたから。 こんな日本画家は初めてだった。 大胆で、どこかで見たことはあるのに、新鮮で 懐かしいのに、最先端で。 その後、いくつかの作品は見ていたが、こんなに 沢山の作品を見るのは、それ以来だ。 やはり印象は変わらず、光琳や東山魁夷や、ヨーロッパの 画家の様であるかと思えば、シルクスクリーンを使った、 資生堂のポスターのような裸婦があったり、 「猫」の毛は繊細この上なく、ふさふさと波打って いて今にも風になびきそうだったりと。
ルーツが京都と聞くと、ひどく納得してしまう。 あの街の持っている、古くて新しい特殊性に一致する。 そして今回は、着物や食器なども出展されていて 身の回りにも目を向けるエネルギーにも圧倒された。 充実した力が感じられる展覧会、もう一度あの エネルギーに触れてみたい。 **************************************************************** 話題変わって 「ティファニーで朝食を」といえば、誰もが、ヘップバーンが ジバンシーの黒のドレスを身にまとっているあの写真と、 名曲「ムーン・リバー」を思い出すだろう。 村上春樹訳のこの本では、主人公ホリー・ゴライトリーは ヘップバーンのイメージではなく、キュートで天真爛漫だが、 もっと多面性を持った人物として描かれている。 そしてカポーティと村上春樹は、実は似ているの?と 思うほど、村上春樹の小説に出てきそうな女性なのだ。 他にも「花盛りの家」「ダイアモンドのギター」などが 収録されているが、どちらも不思議なファンタジーに 満ちていた。そして「あとがき」もとても興味深い。 カポーティは、映画化に賛成ではなかったとのことだが この本を読んでいたら、とても喜んだのではないのかしら。 私は、映画を観ていないので、逆に映画を観たくなった。 ティファニーブルーにゴールドの装丁も美しく、訳者も 書いているように、なぜか何度も読み返したくなる 「現代の古典」らしい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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