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今日はイスラエルが作っている分離壁について少し自分の考えを書いてみたいと思います。
分離壁(イスラエルはSecurity barrierと呼びます)は、シャロン政権が2002年から建設を始めた「壁」です。2000年から激化したパレスチナ人の抵抗運動、特に自爆攻撃を押さえ込むために建設が始まりました。しかし、その建設ルートは1967年第4次中東戦争以前の境界線から大きく西側に反れる形になっています。 分離壁の建設のために、自分の畑に行けないパレスチナ人や、ほぼ壁に囲まれてしまったパレスチナの街ができ、世界では人権侵害との非難が続出しています。その非難の先頭に立っているのがEUです。また、国際司法裁判所は違法との判決(正式には何でしたっけ?)を出しました。一方、アメリカは容認しています。 私は、今パレスチナ問題を解決するならシャロン政権の強攻策は非常に効果的であると思っています。理由は、 1.2つの国家として並存するには、いずれ国境に大きな壁が必要であること。 2.(増加するパレスチナ人を追い出すという目的であっても)ガザ地区やヨルダン川西岸地区からイスラエルが撤退する、イスラエル側からパレスチナ国家樹立を認める政策であること。 3.パレスチナ自治政府側に本当にイスラエルとの和平を成立させたいのかの意思がはっきりしないこと。 要は、現状でパレスチナ問題を解決する場合には、無理やり両者を離す物理的な手段が必要だということです。私個人としては、国境を無理にでも引こうとする既成事実ができ始めたので、これを利用して、現実的な解決案を全く示さないパレスチナ政府に譲歩を迫りつつ、分離壁のルートを1967年の戦争前に戻せればいいのでは、と考えています。 ただ、分離壁建設にはイスラエル国内にも大きな反対論があります。左派は人権を踏みにじるような強攻策に反対しています。右派はパレスチナも含めイスラエルの領土であると考えるため、軍や入植地の撤退に大反対です。シャロン政権も政策変更や政権交代を迫られる可能性が高く、今の分離壁の政策がそのまま進むかわかりません。 もちろん、大変な人権侵害であることもわかっています。こう考えると、今強攻策に打ってでもパレスチナ問題を解決するか、時間をかけ少しでも解決の光明が見えるのを待つか、本当に難解な問題です。 さくらい お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2004年08月07日 12時50分25秒
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