伊勢神宮日本太鼓祭り報告その4
伊勢からもどって4日。休む間もなく連日炎天下の運動会の練習。今日あたりは、ちょっとピークかな。でも子どもたちと一緒に踊ってしまうこの芸人の性。さてさて、伊勢のお話も今日でおしまいです。2日目の朝。この日も相方(相部屋という意味で)の岩渕さんと朝の散歩と赤福一盆を頂く。ほっとなごむ時間です。そして9時。またまたくじ引きです。僕は3番。神恩太鼓の日野さんから「えっ、原さん6番じゃないの?」って。僕も今日も6番だったらおいしいとは正直思っていましたが・・・。それで僕が選んだ出番は、最後。とりです。やりました・・・。宿舎に帰ると御坊から来ていた鼓遊ノ会のちえさんに昨日の演奏の感想を聞きました。それによると、打ち出されるリズムはOK。でも、何だか小さく見える、と。う~ん。やはり。初日に感じていた通りのことを言われました。いよいよラストの演奏。最初の構えから変えました。背筋も伸ばし大きく振りかぶりました。打っている時も意識して懐を大きくしました。さらに気持ちも大きくなるように声を出し、気持ちも盛り上げて行きました。お客さんに喜びを伝える。これが今回の僕の願いだったからです。普段はあまりしないのですが、演奏の途中にひとつ振りを入れました。でもなんといっても気持ちよかったのです。打ちながら嬉しくて顔がほころんできました。しんどいのに嬉しい。本当に幸せな気分で打てた8分間でした。演奏終了。拍手を送ってくれたお客さんに心から感謝の気持ちをこめて頭を下げました。それから、共にこの時間帯を任されたあとの2人の大太鼓打ち、岩手の岩渕さん、大阪の桜井くんを舞台に呼び3人で手をつないでバンザイをしました。これはあらかじめ舞台監督さんにお願いしておきました。やらせてほしいと。今年の伊勢も終わりました。でも、今までで一番喜びに溢れた舞台でした。本当に嬉しかった。暑い中、見てくださったお客様に心からお礼をいいたいです。ありがとうございました。そして、総合指揮の近藤克次さん、ホストチームの神恩太鼓さん、全国から集まった熱き太鼓打ちの面々。最高の出会いでした。今回、この舞台にむけて稽古を続けていく中で、「自分の大太鼓ってどんなのだろう。」と自問自答していました。でも、何だかそれが見えてような気がします。上手く言葉では説明できませんが、この2日間大太鼓に向かって打ち込んだ時、大太鼓の懐に抱かれているような感覚の中で、頭ではなく伝わってきたのです。最後の舞台を降りたとき、桜井くんのお母さんが言ってくれました。「原さんの人柄が出てますね。」大太鼓って、内なるの自分がさらけだされるのだろうな。技術も必要だが、その思いが大太鼓の表現となるのだろう。打ち手にもっとも必要なもの。それは、いろんな意味を持つ“愛”なのだろうな。伊勢からもどり、また太鼓が好きになりました。来年に向けてまた歩き出します。