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![]() 堀辰雄は、芥川の死後東大の卒業論文に「芥川龍之介論」を書いた。 芥川の弟子であり、彼は芥川の「歯車」を最もオリジナルな傑作とした。 資料4枚。 堀辰雄作品年表。 最初の「風景」資料あり。最初の作品は、1926年で、書き直して発表した。(昭和5年1930年)。 何度も書き直すタイプの作家。三島にはないのは頭が良いからか。普通の作家が書き直している。 講師は、最初に「美しい村」を読んだ。 ・柱の真ん中が膨らんでいる。パルテノン宮殿の柱。 ・税関の柱が出てくるシーンが似ている。 ・最初の作品にあるヒントが重要。 ・ルウベンスの中に出てくる風景に注意。 ・写生・・・ではない風景を描こうとする。風景を従来のものと同じにしたくない。ひとが風景を診るのではなく、風景が人間をみるという視点を書こうとしている。 ・「偽画」というのも捻っているフレーズ。 ・「堀辰雄事典」に「風景」「ルウベンスの偽画」がある。何故「偽画」なのか? ・二つの作品とも面白い小説ではない。 ・面白くないのは、何故そうなのか? ・福永武彦・・・作品は、ある気分を書いている。 ・「千の風」福永の父が翻訳した。 ・「ように」「やうに」。ものそのものではない状態。意図的に書いている。 ・萩原朔太郎「青猫」詩集。「スタイルの用意に就いて」。 比喩ではなく象徴的に感覚的憂鬱性。 妙に物憂く物柔らかい、そしてどうか薄ぼんやりした感じ。 或る神秘ひょうびょうとした柔らかい詩操。 ・堀辰雄は「ように」の作家。「やうに」の文体の作家。 ・「やうに」の説明。 ・「風立ちぬ」では、「やうに」を350回使っている。 ・「ように」を多用している。文章の特徴でもある。 芥川龍之介 菊池寛 テーマ小説 主題がはっきりしている作家。 ・堀辰雄は違う。 ・評論家は、頭で考えたものを論として立てようとする。 ・堀辰雄は、気分を書いている。 ・「風景」とは、「風景」の方がどきどきしている。主客を逆転させる。比喩ではなく、ありそうもないがあるかも知れない。それが堀辰雄の新しさ。オリジナルになる。 ・目で見たありのままではない。風景の方が脈打っている。この当時では新しい感覚といえる。画家ではなく、風景が画家をみる視点。 ・従属附加文。 ・逆転の発想。 ・「何気なく」「ふと」は、そのままことではない。何気なくではない「ふと」ではない。 ・「ぼんやり」もぼんやりではない。 ・「風景」の結末の結び方が似ている。「羅生門」。「大和路」にもある。 ・堀辰雄の発見がある。 ・最初の「風景」の冒頭が削除されている。 ・菅野昭正「憂鬱の文学史」。 ・アンニュイ ・世紀末の憂鬱。 ・憂鬱が書かれている部分を削除したと判断した。それは堀の判断が他の作家と違うことを選択した。ありふれてしまう。当時の雰囲気には憂鬱という気分がある。自分の憂鬱を強調したくなかった。 ・同時代のキーワードを外した。そこに気付くのは凄いことである。 ・僕は「異邦人」である? ・空想であれば、どこにいてもおかしくはない? ・風景の発見。国木田独歩の書いた「風景」ではない。「武蔵野」。 ・「始めて風景を見たような驚きは・・・、」波止場。 ・風景の擬人化。 ・感情の擬人化でもある。 ・人間が初めて海を見たとき、そのひとの感性に大きな意味があると云われている。何故波止場なのか?それを知って堀は書いている。 ・堀が「風景」を発見した。擬人化した。リアルではない。 ・斎藤茂吉。の見方が違う。スケッチ・・・万葉集。「古今集」ではない。 ・三島「古今集」。 「ルウベンスの偽画」 ・「風景」の中にもあったフレーズがある。応用した作品。 ・感じ方が書かれている。別の作品ではない。 ・風景ではなく、対象は女性になっている。 ・片山広子 宗瑛。 ・堀辰雄が関心をもっていた。母と娘。片山親子。 ・芥川龍之介が好きだった。 ・「聖家族」でも書いている。片山は、堀辰雄は好きでもなかった。迷惑したのではないか。 ・堀辰雄の出生の問題がある。実父ではない。 ・母が水死した。無残な死。堀はそのことを触れていない。「麦わら帽子」。 ・出会う女性たち。 ・娘をモデルにして描こうとしている。ぶれる一致しない。違うところ狙っている。自分が描こうとしている「ルウベンスの偽画」がある。 ・自分が描こうとしている娘と「ルウベンス」と一致しない。娘が後退して行く。現実とは違う。 ・ズレは娘と自分が描こうとしている頭の中の「ルウベンス」のような女性の薔薇の皮膚がない。と思っている。重ならない。ずれてしまう。 ・「空気」という言葉を使っている。朧にする方向ではない。上手くいかない。堀の描こうとしている方向ではない。風景から女性に対象を換えている。 ・違う女性に惹かれている。 ・鳥渡意地悪な女性。異常な魅力。惹かれる対象が違う。 ・自分の描こうとしている「ルウベンスの偽画」は、何れも現実の女性ではない。 ・ベクトルが目指しているものがない。 ・平野謙「新生」論。島崎藤村と姪。 ・「風立ちぬ」・・・どういう目で見ていたか。現実のこと書いた。作家の非情さ。 ・堀辰雄は。素材とどう向き合うか。 ・ヒロインと父との仲を切断しようとしている。 ・堀辰雄は気に喰わない人も多い。生易しい人間ではない。 ・ぼかそうとする傾向があるので、それをはっきりさせる。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010.09.08 22:13:11
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