<作品> 「大和路・信濃路」
・前原市の雷山観音に参拝してから、帰途直接講座を受講した。
・「樹下」(昭和19年)は、本編に入っていなかった。追加した。
・古墳。別の題、(野辺山原)、(未完)発表された順序が違っていた。原題が「雪」(未完)。表題が変更された。未完がどういう意味か?
・昭和18年の作品。一連のシリーズが終わらない意味か。
・複雑な構成になっている。
・遠藤周作は、大事な作品といっている。
・作家が、作品をどのように書かれたかが書かれている。作家がこの作品を読むとふつうの読者とは違う感じ方をするのではないか。
・この作品から堀作品に入った方が、良いかもしれない。
・「紀行文」のような作品。
・「小さな絵」のイメージ。牧歌。小品に相応しい。堀辰雄は、それを目指している。「小さき絵」は、その中に凝縮された内蔵した意味があると堀は考えている。堀辰雄のテーマでもある。
・「死者の書」。反復で構成している。大事なことは繰り返される。リフレイン。
・反復。ある事の繰り返し。小説のポイント。
・玉三郎は、歌舞伎「河原乞食」の精神を知っている。
・「衰え」。について書いている。
・当初は「ぬくもり」がメインテーマ。その違いがある。同じ繰り返しではない。
・折口「死者の書」を意識している。
・大津親王。一端死んで目覚める。
・古代人を素材にしたいという堀辰雄の考えがあった。
・万葉集、万葉の時代を書きたい。「曠野」が書かれた。元来寄り道であった。
・折口信夫は、
堀君 三
冬いまだ寝雪いたらず
しづかに澄む 水音 君ねむる。 五分、十分、
ほのかなるけはひを覚え おのづから まぶたをひらく。
・「馬頭観音」。堀辰雄は関心がある。
・人も馬も、かさなる。自分ではなく、主体は月日に為る。
・「かそけさ」、が漂う。古代人の感覚。おとの「かそけさ」。それを書きたかった。
・旅の途中で死んだ。
・堀は旅のことをしばしば描くのは、「かそけさ」を書きたかったから。
・その解釈が難しい。折口のキーは「かそけさ」。
・失われた時を求めて。
・「思い出す」と言う言葉が出てくれば、重要。
・胸中は違う。
・互殺の和
・「かそけき」・・・外見にはしずかにみえるが、中は違う。激しい闘いがある。お互いの力がっぷり組み合っているのだ。
・能面。
・何故、ぬくもりが、衰えに変化したか。
・はかない・・・「かそけさ」。
・「曠野」の発見。
・日記風、書簡。
・注目される所。作品との関係。一つの作品が出来上がっていく。
・堀が、書きたかったもの。
・「曠野」は、本来書きたかったものではなかった。
・中世的、・・・頽廃的な自分。
・「万葉集」、「伊勢物語」、「今昔物語」に通じている。
・妥協している。
・「樹下」のイメージ。
・「雪の上の足跡」大木がぽつんと一本だけ立っている。イメージ。
・ぬくもりから「死者の書」の衰えのプロセスを書いている。
・「十月」には衰えはない。夕暮れの衰えにはならない。ぬくもりが強調されている。同じではなく、変えていく。
・「風景」横浜の税関、最後で、静かに立ち去る。と同じ。
いかにもさりげない様子をして立ちさる。
・堀作品のスタイル。芥川の弟子。
・同一性がある。偶然もある。
・詰まり同じことを書きながら、変化を書く。
・イメージの原型。
・読んで忘れない。何故ならそれは自分のことだから。自分のこととして読む。自分のことは忘れない。「知識は忘れが、体験は忘れない」。
・狙いがあるのではないか。あざといのではないか。本当ではない。
・堀辰雄に騙されているか。
・熱は冷やす必要もある。これはフィクションではないか。と疑問を持つ。
・これをこう読ませるぞ。という企図があるか。
・文章では、衰えになっているが、堀が本当にそう思っていたかどうかは分からない。
・変化を鳥渡つけていく。
・解説を含んだ作品といえる。
・家持の晩年の心情。古今和歌集。頽廃。
・折口の狙い。馬頭観音。この「大和路」の完成後に「樹下」を序にした。
・輪廻的な発想。当初からの狙いではない。
・このやまをゆきしひとあり(折口)
・「十月」、「死者の書」の結末が、似ている。
・軽い作品ではない。
・小説をどう描くかということが流行った。
・小説の成立過程を書く小説。
・アンドレ・ジイド「贋金つくり」
・プーシキン「オネーギン」物語詩。太宰「猿面冠者」。
・この作品は、かそけさを狙っているが、「曠野」は違う。
・思い浮かべる瞬間、瞬間を書く。
・あしび・・・こぶしに代わる。
・うつけたように・・・。菜穂子の中にもある。
・旅の憐れを感じる。思い出す瞬間。を繰り返す。
・懐古的。唐招提寺の柱。滅びを含んでいる。ポジとネガが入れ替わる。別のものではない。すべてのものが滅びを含んでいる。
・堀は、ある意味で三島的。パラドックス。「金閣寺を燃やす」。老いては、死ねない。
・二重底のようなもの。
・繰り返しの中の変化。
・トーンは同じでも変化している。日本の文化は「家持」以来それを持っているということが言えるのではないか。