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コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

コーチ賢ちゃんの「コーチング談義」

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2010年09月23日
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庭に咲いたノボタンの花1.jpg
                           庭に咲いたノボタンの花


 前回の続きです。

---

 その言葉を聴いた途端、また男の子は泣き崩れてしまった。私は、怒鳴りたいくらいの衝動に駆られたが、ここで私か取り乱してはいけないと思い、なんとかこらえながら先ほどの話をした。

 「お母さんのお店や人と話すのが好き」
 「趣味でやっていた絵画教室が人好き」
 「お店でがんばってるお母さんが好き」
 「学校も楽しくて、友達も好き」

 「・・・だけど、学校には行きたくない」
 「テストだけで、自分の評価してもらいたくない!」

 子供が泣いている横で、私は淡々と話をした。しかし、その時お母さんはこう言った。

 「私はあなたのしあわせのために言ってるのに、どうしてそんなに反発するの? いい点取ることがしあわせなのに・・・」

 それを聴いてますます大きな声で泣き始めた子供を見て、私は、さすがに大声で叫んでしまった。

 「あなたは、自分の子供が泣いているこの姿をみて、まだテストの点がどうこうなんて言ってるんですか!」

 「こんなに健気で、お母さんが好きで、お店が好きでおうちが好きで、話もできて、そんな子をテストだけで判断するんですか! なんで○○くんが、あなたには話さなかったことを私に話したか、母親として、泣きながら自分の子供が目の前にいて、他人の私に話してくれて、自分には話してくれない状況を見て、感じることかあるでしょう!?」

 きょとんとしたお母さんに、私は話した。

 「○○くんは、おうちの手伝いをしているとき、好きな絵画教室に通っているとき、そして、おうちを切り盛りしているお母さんの姿が好きで、それをしあわせだなって思って生きてきているんです。それでいいと思ってるんです。なのになぜ、そうまでしてテストの点にこだわるんですか? テストの点ではなく、○○くんを見てあげましょうよ!」

 お母さんはその時、泣きながら話はじめた。

 「なんでこんなお店を好きだなんて言うの・・・ なんでこんな私みたいな人間を好きだなんて言うの・・・ 高校卒業しかしてないで、いい会社に就職もできなくて、ただただ、家で仕事をするしかないような、そんな情けない人生。まわりのみんなが、私のことを「その程度の人問だ」つて、蔑むの。私は、子供にはこんな自分のようにだけはなってもらいたくない。みじめな思いをしてもらいたくはない!! だから、子供には勉強していい点とって、いい大学にいって、いい会社に勤めて、いい人生を歩んでもらいたいって、そう思っている私の何が悪いのっ!」

 お母さんの心にあったこと。それは「現代社会に適応できなかった自分」という劣等感と、そこへの恨み。だけど、それができないのは自分のせいだと、自分を責め続ける気持ちだった。

 私は言った。

 「お母さん、○○くんは、お店を切り盛りしているお母さんが好きだって。がんばって仕事しているお母さんが好きだって。このお店が好きだって、そう言ってるんです。これ以上の幸せってありますか。これ以上、誰に何を認めてもらう必要がありますか。お母さんは、自信を持っていい。堂々と胸を張っていい。そうじゃないですか?」

 お母さんもその場で泣き崩れた。気持ちが落ち着いてきたのを見て、私は言った。

 「お母さん、いまなら、○○くんと素直に話ができると思います。○○くんも聴けると思います。話せると思います。話してみましょう」

 そして、お母さんは話はじめた。

 「ごめんね。お母さんは、こんなうち継がせたくないからって、勉強できなくて惨めな思いをしてもらいたくないからって、そう考えて、○○に勉強してもらいたいって思ってたの。だけど、○○はそんなにうちのことが好きだったんだね。お母さんのこと好きって言ってってくれてありがとう。○○のこと、わかったよ。もう、無理に勉強なんて言わないわ」

 それを受けて、男の子。

 「お母さんが、そんなふうに考えてたなんて知らなかった… ただ【いいから勉強しなさい! いい点とりなさい!】しか言わなかったのに・・・ありがとう、お母さん・・・」

 お母さんと男の子は、顔を見合わせ泣いた。私も、その場で一緒に泣いた。

 なんだろう・・・ こんなにお互いのことを好きで、思いやっている親子なのに、なんでこんなにも悩み、苦しまなくてはいけなかったんだろう。

 子供だ子供だ、と思っても、子供って、見ているんですよね。そして、知っているんですよね。「しあわせ」つて、「お金を儲けること」や「いい大学に行くこと」ではないって。

 がんばっている親の姿を見て、楽しそうに会話をしている大人の姿を見て、「こうなりたい」つて思うんですよね。それを「しあわせだ」つて思うんですよね。

 なのに、大人は自分の勝手な理屈で、しあわせを人に押し付ける。子供たちに押し付けてしまう。

 今回のお母さん、本当は「今がしあわせ」なんじやないんでしょうか。だって、お店で働いている姿、それは本当ににこやかで、その場に一緒にいるだけで、こちらも心がほんわかできた。子供が「お母さんのようになりたい」「跡を継ぎたい」と思う。それほどの人が、何を不満で、何が不幸だと。なのに実際、いまの世の中は、それを不幸だと思ってしまう。思わされてしまう。

 「しあわせのかたち」それは人それぞれ。

 ついつい、「自分の感覚」ではなく、「他人の感覚」で物事を判断しようとしていませんか。そして、それを自分だけではなく、他人にも押し付けようとしていませんか。

 世の中の「一般的なしあわせ」だとか、「ふつう」だとか、そんな言葉に惑わされないようにしなくちやいけない。そんなことで、自分のしあわせを、ましてや子供のしあわせを奪ってはいけない。そのことを、心の底から感じさせてくれた、そんな事例でした。

 「しあわせ」かどうかは、自分か決める。

 そして、子供たちに「そうなりたいな」と思われるような、そんな生き方をしていきたいと、そう心に刻むことになった、そんな事例でした。

 みなさんは、この親子の姿から、どんなことを感じますか。


【制作・著作】
藤岡緑陵学院(教育・子育て柑談承ります)
電話:027-388-1071
FAX:027-388-1072
携帯:090-2629-7164
MAIL : skomatsu@soeinet.jp

なによりも大切なことは「悩みを抱えずに相談すること」 お気軽にご相談ください。

---(ここまで)


庭に咲いたノボタンの花2.jpg


 一緒にコーチングを学んだ仲間が成長し、輝いている姿を見ることほど、嬉しい事はありません。

 これは、彼の愛が1つの家庭を救った事例ですが、彼の「不登校で悩む家庭救う」活動は今後も続きます。彼の今後の、益々の活躍を祈らずにはおれません。

 賢ちゃん、「まつ」から沢山の元気を貰いました。ありがとうございました。またの事例報告を楽しみにしております。












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最終更新日  2010年09月28日 20時37分54秒
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