カテゴリ:いいひと
今週(2006/10/16~20)の日経新聞夕刊の「人間発見」のコーナーで
RHJインターナショナル(旧リップルウッド)ティモシー・コリンズ氏の記事が載っていました。 いわゆる、「投資ファンド」を経営する方です。 私がこの方を知ったのは、経営破たんし、日本長期信用銀行(長銀)が一時政府の管轄に入ったが、 それを買収、1999年に新生銀行になった時です。 その時は、「瑕疵担保特約」という損失分は買い取らなくてもいいという 条件で買い取ったために、「ハゲタカファンド」ではないか、と報道されました。 その後、2005/6/12放送のTV朝日系列のサンデープロジェクトで放送されて、 コリンズ氏の考え方を知りました。 その時の取材は、経済ジャーナリストの財部誠一氏がされていました。 私はコリンズ氏に非常に興味を持ったのですが、情報がなかなかなく著書も出されていないので、 財部氏の事務所にメール連絡し、そこからリップルウッド(当時)の日本法人に繋いでいただき、 プロフィールをいただきました。そんな経緯から今回の新聞も見入ってしまいました。 「投資ファンド」は、一般的に破綻した会社や敵対的な買収をして、株価が上れば、 売却するということで、「ハゲタカファンド」と呼ばれるところが多いですね。 日本では「村上ファンド」なんかが有名です。 RHJは日本企業の新生銀行、フェニックスシーガイア、旭テックなどを買収していますが、 経営は日本人社長を据えたり、雇用も基本的に守り、いずれも株価が上ってすぐ売却 ということはしていません。 いくらいいビジネスモデルがあっても、経営資源があっても動かすのは人です。 経営が行き詰まるのは、従業員が悪いのではなく、考える風土を作れない経営陣、 マネジメント層の問題です。考え方、方法論が間違っているのです。 だから、企業は人の活性化を行うことを考えなければなりません。 RHJは買収した先でも従業員を大切にし、非常に上手くいっています。 そんなことを伺わせる今回の新聞特集でした。 新聞抜粋 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ●ティモシーコリンズ氏の略歴 1956年10月8日アメリカ合衆国ケンタッキー州生まれ。 高校時代は落ちこぼれ17歳で高校中退する。 中退後、自動車部品工場で働く。いわゆるブルーワーカーになる。 礼儀を知らない若者を工場労働者は受入るはずもなく、いじめに会う。 しかし、全米自動車労組(UAW)に加入し、仕事も一生懸命働き、「矯正」される。 1974年オイルショックの影響で解雇される。 その時の経験で、労働者の気持ちを知っていて、企業に投資する際にも労組の存在を 否定せず、働く人の環境を改善するように持っていっている。 解雇された後、1975年インディアナ州のデポー大学に入る。 ここでは哲学を学び、勉強にも励む。大学在学中も夏に自動車工場で働いていた。 卒業後、自動車エンジンメーカーに就職し、ここでは、マーケティングや 財務を担当する。 二年半働き、この会社の幹部の勧めでエール大学のビジネススクールに入る。 相変わらずビジネスには興味を持てなかったが、結婚と同時にシカゴのコンサルに入り、 そして、ニューヨークの投資銀行に転職する。そこからウォール街に入る。 1984年に投資銀行に入り、M&Aの経験を積む。しかし、金儲けの世界に馴染めなかった。 1988年辞めて、アフリカ・スーダンの慈善活動に参加する。 その際にいろんな人の助言からビジネス界に戻り、 1990年ニューヨークの買収ファンドに初めて足を踏み入れる。 それをきっかけに1995年リップルウッドホールディングスを創設する。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ずっと優等生で来たビジネスマンではなく、挫折を味わったり、働く人の気持ちが 分かる「ファンド」経営者という珍しい方ですね。 私は挫折をして、今、成功している人が大好きです。 そして、働く人の気持ちが理解できる経営者が好きです。 これからどんどん、困っている企業を再生してほしいなあと思います。 企業経営が悪くなるのは、労働者ではなく、経営者の問題です。 それを理解できる経営者にならなければならないし、 そのように見ているコリンズ氏については、今後も注目していきたいと思います。 ※この本に、参考情報があります。 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.10.21 01:43:30
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