本題
可愛らしく、ほのぼのする日記をしたためることができる女性は素敵だと思う。きっとそういう女性は、実際も可愛らしいからだ。そういうのは偽れないと思うし、まろやかな優しさやたおやかさを自然体で持つ女性に憧れる。きっといい奥さんになってくれそうだから。幼い頃から、女の子らしい女の子ではなかった。そしてそのまま現在に至る。別に普通に家事はできるし、華道、茶道、バレエ、ピアノと女の子らしい習いごとは一通りやった。その反面、男の子のする遊びも仕込まれた。普段は優しい父親に叱られる時は、しばかれ、どつかれ、けたおされた。おとーはん、今あれやったら虐待やで…謝ってもそうは許してもらえない。何が悪かったのか、何故そういうことをしたのか具体的な理由、自分がやったことに対して今どういう反省しているかをきちんと理路整然と言えるまで許してもらえなかった。お父さんにしばかれたことがないという女の子が羨ましかった。まあ、負けん気が強くなったのはその影響だろう。お父さんありがとう。今は感謝している。その上、長女で初孫、本家の子だった私は幼稚園の頃から『将来の家長』としての自覚を植え付けられてきた。一番強烈だったのは、ある日幼稚園から帰ってきたら今は亡き祖父が『ええか、お前が結婚するのは次男や。長男は絶対にあかん。三男もやめとけ。次男を養子にとるんや。わかったか』と語ったことだ。普通するかそんな話...その時点で、『将来お嫁さんになる』という夢は無残にも砕け散った。『え?私、お嫁さんにいけへんの?』とかなり衝撃を受けたのを覚えている。誰かと知り合ってごく初期の段階で『兄弟いるの?長男?次男?』と訊く。うん、ばっちりトラウマタイズされている。男の子に期待されることを背負ってしまい、今の私の素地が出来上がっていったのだ。どれだけ男の兄弟が欲しかったか言うまでもない。なのでサファイア姫やオスカルには軽いシンパシーを感じる。女の子な部分を隠して生きるのって切ないよね~。好きな人から女として見てもらえないって悲しいよね~。家のためってなんなんだろうね~。と。でも、サファイアは最後にはお嫁さんになるし、オスカルはアンドレと極秘に結婚したあと死んじゃう。(厳密に言うとアンドレが先だが)ま、生きてるか死んでるかの差はあるものの、最終的に二人とも愛する人と結ばれている。漫画の主人公ではない私は、そんな相手もいない。今は一人で日々の生活を楽しみ、生き方を模索し、いつか立派な家長となるべき日に備えるのだ。