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ひじきのつぶやき

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2004年11月04日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
初めてふたりきりになる男女というのは
相手が誰であれ少し緊張する。
どこか居心地が悪く適当な距離を探し出すのに
少し手間取る。

ソファに腰掛け酔い覚ましのお茶を飲みつつお話。
音楽の話をしていたら、海外セレブが顧客にいる
ことを知った。
知らなんだ~。実は彼の手で服を作ってもらえる
って凄いことなのかっ?

時計は午前2時をとっくに回っていた。
友人二人を待たせているので悠長にしている時間はない。
マルコビッチ氏は大きなバッグから生地とボタンの見本
を取り出した。

マ:『選び方でその人のパーソナリティが分かるんだ。
   好きなのをどうぞ。
   どう選ぶかを見て、君を研究させてもらう。』

我:『ん~、全部素敵ですぅぅっ!似合いそうな生地を
   選んでくだされ。』

マ:『それは難しいな。君が好きだから、どんな色でも
   美しく見えてしまう。
   だから選び出すのに時間がかかるよ。』

どこまでも口説きモードのマルコビッチ氏。

生地見本は数多く、直感で好きなものを選らんでみた。
マルコビッチ氏の生地に関する説明を混ぜつつ更に厳選。

候補が3点上がったところで鏡にあてて色の映え方をみた。
コットンのピンクに決定。もってきてた生地の中で一番
高いものなんだそうだ。
最初に聞いていたら貧乏性の私は選んでいなかった。

次はボタン。
種類が多かったが、可愛いハート形のものに決定。
氏がデザインしたもので、形が特殊なのでボタン工場に
発注し出来上がるまでに3週間かかるらしい。

そしてネック。
ネックの形も色々あったがフレンチにしてもらった。

最後はカフ
カフの見本も数種あり、見本にはなかったがバタフライ
という形がフェミニンでいいという氏のお勧めに従う。

ここまで選んだら後は採寸。

『上着を脱いでもらえないかな。採寸できないから。』

上着を脱がせてもらい採寸スタート。

真夜中2時過ぎ、ホテルの一室での採寸は少し異様。
氏もそんな状況下で採寸したことはないそうな。

採寸されると、数値として自分の体が現れる。
接近してるし場所と時間帯もあり少し妙な気分だ。

『君の体の形を自分の手でしっかり覚えておけば
             デザインしやすいんだ。』

氏の前にまっすぐ立ち、肩幅、バスト、ウェスト、ヒップ、
首周り、腕の長さ、肩からバストトップまでの長さ、
丈の長さを決めた。

高校の制服を作った時よりウェストが肥えていたのを
数値として目の当たりにしショック大。
しかし、採寸するたびに溜め息まじりにイタリア語で
感嘆されると自尊心をくすぐられる。
うまいよな~。
けなされるより褒められる方がええもんな~。

でも、必要以上には触れないし近づかない。

先に進みそうで進まない、触れてみたいけど触れない
奥ゆかしさ、もどかしさ、ギリギリの感じがわたしゃ
好きである。

最後に手首周りを測り採寸終了。

マ:ちょっと寂しげに『OK、これで全部。』

我:『どうも。で、どのくらいで出来上がるの?』

マ:『普通4ヶ月だね。でも、帰ったらすぐ作るから
   1ヶ月くらいで出来上がるようにするよ。
   僕がデザインして裁断して手縫いで作るから。』

高価な生地と出来上がりまで3週間かかるボタン。
氏自らのデザイン、裁断、手縫いだと定価でいくらに
なるのだろう。
1ヶ月の家賃代+光熱費ぐらいはするのだろうか?
ん~、庶民には想像つきません。

採寸も終わり、ベッド際に腰掛けタバコを吸いながら
こっちをじっと見つめるマルコビッチ。
ロビーでは友が待っている。
そろそろ行かねば。

というか、この雰囲気はヤバイ。
そろそろ脱出せねばマズイ。

我:『え~と、そろそろ帰らなければ。』

マ:『今夜は君とずっと過ごしたいな。』

我:『ははっははは。
   (心の声:キターっ!ついに来た~っ!
           絶対そうくると思てたで~っ!)
   いやいやGもYちゃんも待っております。
     それにYちゃんは遠いところに住んでまして、
       終電を逃しまして。。。
        今夜は我が家にお泊りなのですよ。』

マ:『えツ?!お泊り?
   Gにはとっとと帰ってもらって、女友達には僕の
   この部屋を使ってもらえばいいじゃないか。
   僕が君の家に泊まればいいじゃない。』

なかなかのヤリ手じゃ。
『友達が泊まりに来るの攻撃』にもひるんでいない。
しかし!今までもこのようなシチュエーションは
うま~く逃げ切ってきた。
今回もできるはず。
さてさて、むげに断るのもよろしくない。
『お腹いたい作戦』はミエミエなのでやめとこ。

よし、ここは…

『それに、今夜があなたが東京にいる最後の夜
   なんでしょ。残念だけど時間が短すぎるわ。。。』

と、しおらしくじっと見つめて言ってみた。
というか、これは本音。

『そうだね、too short time.』

とマルコビッチ氏も残念そうだが納得。

タイミングよくGから『何してんねん、俺帰るで。』と
メールが入った。
イタリア語で『ヤッてんの?』とも入っていた。

今から下に降りると返信した。

『時間が短すぎるわ』はちょっと効いたらしく、
ロビーに向かう途中も氏は時間がないことを悔やんでいた。

ロビーに着くとGは少しだけ心配そうに
『なんもなかった?』と訊いてきた。

早朝Gと共に大阪に行き数日後にはイタリアに帰る
とのことだった。
東京・大阪間の新幹線往復を払うから一緒に行かないか
と誘われたが、それはできない。
余韻と少しの未練があるくらいの方がよい。

ホテルの前でお別れをし、3人でタクシーを拾った。
Gに『ホンマ、なんもなかったん?』と再度訊かれた。
『うん。なんもなかった。なんかあったら言うやん』
と答えた。
GもYちゃんも何かあると思っていたらしい。

実際何もなかった。
手の甲にキスされたくらいである。

自分でもよくとろけなかったなと感心する。
もしも友達二人が一緒でなければ、
もしYちゃんが終電に乗って帰っていたら…
とろけていたかもしれない。
でも、一人で部屋に行く勇気はなかったかもしれない。

普段の生活に戻り、楽しかったなとしみじみ感じる。
シャツを本当に作って送ってくれたら嬉しいけど、
期待せずに待っておこう。
甘い時間を過ごさせてくれたことに感謝。

明日、マルコビッチ氏はイタリアに帰る。
空港まで見送りのGに出発前に電話して
『気をつけて帰ってね』と一言伝えよう。





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最終更新日  2004年11月04日 23時06分33秒
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