被災地の学校、授業再開 栗原 児童ら水筒持参
授業が再開し、水筒などを持参し登校する子どもたち。被災地の学校に明るい笑顔と歓声が戻った=栗原市栗駒小
岩手・宮城内陸地震は17日、発生から4日目を迎え、12人が行方不明になっている被災地では、陸上自衛隊と警察、消防が早朝から捜索活動に全力を挙げた。最も深刻な被害を受けた栗原市では、小中学校や高校が一部を除き授業を再開。地震発生後初めて児童生徒が校門をくぐり、疲弊しきった被災住民に明るい話題を届けた。
栗原市栗駒の栗駒小(児童60人)では、午前7時ごろから児童が送迎バスや親の車、徒歩などで次々と登校し、校庭を駆け回ったり、クラスメートと会話したりした。「家の中がめちゃくちゃになってお父さんたちが片付けた」「トイレが壊れた」などと自宅の状況について語り合う姿もみられた。
水道水はまだ飲めないため、水筒持参での登校。地震では大半の教室でテレビが倒れたり、体育館の天井が破損したりする被害があった。体育館は使用できないが、教室はすっかり片付けが終わり、授業は平常通り行われた。
5年生の小野寺伸君(10)は「友達と無事に会えたことが一番うれしい。みんなのことが心配だった」と笑顔を見せた。
地震でけがをした児童はいないが、鈴木国彦教頭は「子どもたちがいつも以上に元気に振る舞っているように見える。地震の(心理的な)影響もあるのだろう」と気遣った。
栗原市教委によると、17日に授業を再開したのは、断水が続く花山地区と住民が避難した栗駒小耕英分校を除く幼稚園21園、小学校28校、中学校9校。市内の高校2校と金成養護学校でも授業が始まった。花山地区の幼稚園、小学校、中学校は18日にも授業を再開する。