この映画の宣伝文句を読んだ私は『ジェイソンが主役の映画だ!!』喜び勇んで、初日に踊りながら見に行きましたが、主役はライアン・フィリップでした。宣伝の責任者出て来い!!(泣)
監督・・・・トニー・ジグリオ
出演・・・・ジェイソン・ステイサム
・・・・ライアン・フィリップ
・・・・ウェズリー・スナイプス
この作品は、本格的な『クライムサスペンス』を目指そうとしてちょっと失敗してしまった、非常に惜しい佳作だと思います。
そもそも「クライムサスペンス」とは「おお!!この結末は全然想像できなかった!!」と見ている観客が2重、3重の罠を見抜けず最終的に気持ちよく騙されるのが面白いのに、本作は途中で犯人が分ってしまいます。これはクライムサスペンスとしては致命傷でしょう。
さらに勿体無い事に人物描写がちょっと弱い。スナイプス以外の犯人は冒頭少しだけ登場するだけなので、後から容疑者として登場しても「あんた誰???」状態になってしまう。
そしてこの犯罪劇の鍵になるはずの「カオス理論」が推理する上で全然関係ない。話に絡んでこない。意味がない。
最後にジェイソンが有能な刑事に見えない。このジェイソンふんするコナーズ刑事が『とっても優秀なのよ』と言う設定は何気に物語の鍵になると思うのに、冒頭の銀行を包囲する場面で、早々と他の刑事から指揮権を譲られるため、並みの刑事と有能な刑事の比較が出来てない。しかも結果的に強盗を取り逃がす。その取り逃がし方もスナイプスが優秀と言うよりも他の刑事が単なる間抜けだから。いくら同僚の刑事が「彼は優秀なのよん」と言ってもあれでは見ている観客は納得しないんじゃないのか??少ないとも私は納得できなかった。
もっとも全然つまらなかったわけではないのです。あまり書けないのがとっても残念ですが(だってネタバレになっちゃうし)。「なるほど!!こういう事だったのか!!!」というシーンもあるのですよ(^^)。そこは見てのお楽しみです。
役者陣はとってもがんばってます。ライアン・フィリップはさすが主役!!出ずっぱりでガンガン推理していきます。アクションもこなしてます。かっこいいです。スナイプスは出番はあまりないですが、存在感バッチリ!!ジェイソンは今回はアクションは少なめですが、全然問題ありません。しかも美味しいところは総取りです。
全体的に「もう少しがんばりましょう」といった感のある作品ですが、本格的な推理物なので、こういうサスペンス物が好きな人は結構楽しめるかもしれません。