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カテゴリ:舞台【音楽あり】
4時半に終演後、15分の休憩をはさんでアフタートーク開始。
ゲストは音楽の宮川彬良(あきら)さん。 先日、NHKの番組 (SWITCHインタビュー 達人達)で 吉田綱太郎さんとの対談を見たばかり。 カメラが回っていない分、 自由でのびのびして、更に楽しさ↗↗↗ 今日の進行は、代表の井上 麻矢さんでなく、 ナガヤマ氏。 装いきっちり、ナガヤマさん、 かたや、フワッとした白いシャツ、 ラフな宮川彬良さん。 シャイで几帳面そうな彼と 軽妙洒脱な宮川彬良さんと好対照。 お二人のやりとりが絶妙なため、 アフタートークの楽しさが増しました。 まずは、彬良さんの紹介。 名刺に作曲家、舞台音楽家と書いてあるそうで 舞台音楽家と名乗っている人は滅多にいないそう。 それほど、舞台音楽を愛している彬良さん。 ただいま、大嫌いだったオペラの曲を作っているそう。 ひとしきり、そのオペラについてのお話。 「讃美歌」と言ったら どの曲を思い出しますかという問いに ナガヤマ氏は「母君に勝る友や世にあり♪」 私は心の中で「慈しみぶかき友なるイエスは♪」 (両方とも、メロディーは同じ。音楽の授業で習った「星の世界」とも一緒です) 彬良さんは、「ふるさと」をあげました。 「ふるさと」を作曲した岡野貞一は 教会オルガニストでした。 それで、このような賛美歌のような綺麗な曲ができたのかもしれませんね、と。 (おお、岡野貞一!岡野貞一と瀧廉太郎の舞台、感想) 極端に言えば楽器の数だけ楽譜の種類がある。 数多の異なる楽譜で一つの曲を演奏するオーケストラは究極の調和 などなど、文章にすると、真面目でごもっとも! なんですが、実際には照れ隠しか オーディエンスに歩み寄ってか、 堅っ苦しさはなく、むしろ面白い比喩つきで 客席からは笑い声が。全く、飽きさせません。 聡明でサービス精神旺盛な彬良さん。 音楽家になろうと思ったのは中学生の時。 天啓を受けたそうです(^^♪ 世田谷にある和光学園では、毎年 演出のみ教師、ほかは生徒がすべて行う演劇祭があり、 この時期は普通の授業はお休みで取り組むそうです。 その劇の台本を見ていると音楽が聴こえてきたのだとか。 この経験が(本名の晶)少年の将来に 大きな影響を与えることになったわけです。 中学三年生の時は、ゴーゴリの「検察官」 「検察官」と聞いた観客からホーッの声。 さすが、こまつ座のお客様。 (平日マチネ、ほぼ満席、男性も多し) サザンオールスターズがデビューした頃で、 バンドもやっていた晶少年は舞台音楽に携わりたくて クラシックの道へ進んだそうです。 さて、高校3年生の時に将来書きたい!と願ったのが 1.劇団四季の音楽 2.ディズニーランドの音楽 3.セサミストリート の3つ。 芸大2年の時に劇団四季のお仕事をし、 そこで知り合ったディレクターが 翌年出来る東京ディズニーランドの曲を作ってみる?と 誘ってくれ、21歳にして2つ目の夢を果たし、 さらに、40歳。 NHKのパペットを使った子ども番組「ハッチポッチステーション」 (強いて言えば、日本版「セサミストリート」)のオファーがあったそう。 そこで、子ども達に音楽の楽しさ、素晴らしさを伝える番組 2013年まで続いた「クインテット」を担当したのです。 3つも夢が叶ってしまった!スゴ過ぎる半生の話を聞いていても 自慢に聞こえないばかりか、次のお話は?と耳を傾けてしまいます。 そうして、この番組の構成作家下山啓氏の話に及び 「戯作者の話に上手に戻るでしょ(^o^)」とご本人。 オミゴト! 今日の戯作者。 黄表紙のように風刺を効かせて書く。 (黄表紙:江戸時代中期以降に出版された絵入りの小説の一種。 成人向きに仕立てられたもの。名称は表紙の色に由来する。) かつての青島さんや、 「ひょっこりひょうたん島」を書いた井上ひさしさん等 放送作家が現代の戯作者、いう話につながります。 彬良さんが音楽を担当した「ムサシ」 「復讐の連鎖を断ち切る」ということがテーマの舞台で 彬良さんは「タンゴ」をベースにした曲を作りました。 NHKの番組でも映していましたが、 あのシーンがあるだけで、「ムサシ」を観たくなるくらい傑作。 海外でもあの場面は爆笑だそうで、 まさに音楽は言葉の壁を超えることの証明。 四季では、『エビータ』『ドリーミング』『ユタ』等 私が通った頃の作品の編曲を手がけられていた宮川彬良さん。 「戯作者銘々伝」の音楽を作るにあたって、 命を削って書いていた江戸時代の戯作者や井上ひさしさんに 敬意を表し、お昼の番組のBGMでも使われるようなライトな曲でなく、 この作品にしかはまらないような曲を書きたいと、 何かのインタビューで語っておられました。 ナガヤマさんが 「江戸時代にサンバはないけれど違和感ないですね」と おっしゃっていました。 大ヒットした「マツケンサンバ」の話もありましたよ。 『ムサシ』の演出の蜷川幸雄さんについて話すとき、 蜷川さんは「耳より目を信じる人」で 自分のことを「目より耳を信じる人」と表したのが言い得て妙。 それゆえ、演出家であり、音楽家なのでしょう(^o^) 多岐にわたって精力的に活躍されている彬良さん。 近所の中学生対象の公演の時、その中の一人(中学3年生)が 「彬良さんにとって音楽とはなんすか?」と質問したそうです。 「困らそうと思っているな?」 「ハイ」屈託ない質問者。 「音楽は命だ!」 真っ向勝負。カッコいい! 理由と共に語ると オーっ!と地を這うような低音のどよめきが。 声変わり真っ只中の300人余りの全校生徒から!! (その声の物まねで会場爆笑) この子たちは、ごまかしじゃなく本当のことが聞きたいんだなと 思ったと、ウレシそうに語る姿が印象的でした。 もっと、もっと聞いていたい!と思いましたが、お開きの時間。 17時15分終了。ってことは、30分程度のトークショー。 (まだまだ書ききれないこと、たくさんあったのに) なんて内容が濃いんだ! 手がけているオペラは今、 オーケストレーションの段階だそうです。 すべての楽器の特徴と、自分の中の音楽のイメージとで 構築するように、トークも何層にも味わいがあるように 組み立てられるんでしょうね。 観劇日にアフタートークがあって、ほんとラッキーでした。 『戯作者銘々伝』北村有起哉×玉置玲央インタビュー アフタートーク posted by (C)kikimimiya 次のアフタートークは6月12日。 12日以外のチケットでも参加OKという、こまつ座太っ腹! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
June 1, 2015 08:52:02 PM
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