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地味で無口な28歳独身派遣社員である主人公は猫を飼っている。一見普通に見えるその猫には実は秘められた力があるのだが、その力が発揮されるにはある条件があって…。
第四回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作です。 誰でも仕事をしていれば、仕事の内容よりも職場の人間関係の方にストレスを感じてしまうことがあると思います。 職場の人の理不尽な言動をぐっとこらえつつ仕事をこなしているものの、 それが積み重なって我慢の限界に達したとき、 もういっそブチ切れてしまおうか、 なんて思ってしまうこともあるのではないでしょうか。 28歳の派遣社員である地味な女主人公も例外ではなく、派遣先の一筋縄ではないかない人達の餌食となり日々ストレスが溜まっていく一方。 そのストレスが限界まで達した時、主人公はブチ切れるかわりに、体内で渦巻くどす黒い感情を餌に飼い猫の猫魂を使って仕返しをすることになります。 読んでいて容易に絵が浮かんでくるので、とても読みやすい作品だったと思います。 デフォルメされた登場人物たちと先の読みやすい展開の為、漫画を読んでいるような気楽な気持ちで読むことが出来ます。 無口で地味な主人公が復讐をするという展開の割にはドロドロした感じがないのも魅力だと思います。 難しいことは考えずに楽しく読み進められる作品になっています。 ただ少し気になったのは、分かりやすい展開と物語があまり動かない為に、早くも二話目でマンネリ感があったことでしょうか。 文学としてはスピーディーな展開はあまり必要ないと思うのですが、この作品は漫画的な要素が多いので、もう少しスピーディーな展開だと良かったように感じました。 最も物語が動いた第四話を二話目か三話目に持ってきても良かったような気がします。 シリーズ化しやすそうな作品ですので、続きも期待出来そうな作品です。 日々こつこつと仕事をしていてもなんだか報われない人や、 猫好きにもおすすめの作品。 これを読んで主人公と一緒に、 日頃溜まっているストレスを発散してみてはどうでしょうか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2011.06.23 21:03:16
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