カテゴリ:宝塚
再見「NEVER SAY GOODBYE」(18時30分開演)。「ジキルとハイド」の作曲家ブロードウェイのフランク・ワイルドホーンが書き下ろした新作宝塚ミュージカル。作演出は、小池修一郎。
「退団する和央ようか&花總まりコンビのさよなら公演」である。 話題のワイルドホーンのメロディラインは、ジャズや、スペインのラテンを取り入れ、変化に富み聴かせる。 ストーリ的には、あくまで内戦に揺れるスペイン(ファシズムと戦いつつ、アナーキストと統一社会党の二つに割れるスペイン共和国政府。その争いに巻き込まれていくバルセロナの民衆達)を背景に、歴史の中で、デラシネとして生きてきた二人の男女の出会いと愛を描いていく。 キャパをモデルにした写真家を演じる、和央ようかの充実ぶりが、何とも心地よく、彼女が宝塚で築き上げてきた集大成をまのあたりにして感動的な舞台であった。声域に合ってるのか朗々とした歌いぶりには余裕すら感じられ、いつも気になる母音の癖もそれほど気にならない。 ケガにも負けず、すばらしい作品で退団する彼女の宝塚人生に乾杯である。 花總まりは、宝塚で十数年トップ娘役を務めたキャリアがあり、おそらく、宝塚の歴史で永久に語り継がれる伝説の娘役であろう。しかし、今回、再見した舞台は、声に伸びがなく、表情も変化に乏しく、お疲れなのだろうか。退団者としての輝きが無く残念。ともかく7月2日が千秋楽。もう後わずかなのであるから何とか復調してほしいものである。 私的には、もっとも注目したのは、次期宙組娘役トップとなる紫城るい。 ハリウッドの大スターで和央の恋人役。うーん残念ながら、ハリウッドの大スターには、とうてい見えない・・ゴージャス感が皆無で残念。輝きを身に付けることを期待。 今回、よかったのは、敵役のアギラールの遼河はるひ。 黒っぽいメイクに、黒皮のジャケットがよく似合い、なかなか格好いい。 声に非常に特徴のある歌い方であるが、市民を扇動する、この役にあっていた。 また、今回、トップコンビと共に退団するアニータ 毬穂えりな タロットの歌は必聴。 内戦がはじまったばかりの、義勇軍に参加する女たちのリードソロを歌った「ラ・パッショナリア」の 和音美桜。迫力ある歌と芝居は、前回、その後の合唱を分厚いものにして出色の出来で感動的であったが、この日は、咽喉の調子が悪かったようなのが残念である。 ともかく歌もダンスも宙組一致団結、下級生まで熱情を持って盛り上げる群集場面は、圧巻の舞台といえよう。 宙組 ミュージカル 『NEVER SAY GOODBYE』-ある愛の軌跡- 作・演出/小池修一郎、作曲/フランク・ワイルドホーン 公演期間:2006年5月26日~7月2日 配役 ジョルジュ・マルロー 和央ようか キャサリン・マクレガー 、ペギー・マクレガー花總まり マーク・スタイン 立ともみ コマロフ 磯野千尋 暁 パオロ・カレラス 美郷真也 マックス・ヴァン・ディック 寿つかさ ピーター・キャラウェイ 初嶺麿代 アニータ 毬穂えりな ヴィセント・ロメロ 大和悠河 ラモン 夢 大輝 フランシスコ・アギラール 遼河はるひ エレン・パーカー 紫城るい ビル・グラント 悠未ひろ 市長 風莉じん ラ・パッショナリア 和音美桜 エンリケ・ロメロ 凪七瑠海 他多数 観劇後、友人と有楽町駅近くのオープンカフェで乾杯。 日中の暑さもやみ涼やかな風が吹き抜けるカフェは、なかなか小粋で、お任せの赤ワインとチーズの盛り合わせを、大いに楽む。あ~幸せ! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 30, 2006 08:39:04 PM
コメント(0) | コメントを書く
[宝塚] カテゴリの最新記事
|
|