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わたしはいま夏休み中なのだが、
修士課程(マスター)の学生は、いま修士論文に取り組んでいる。 その中で、ロースクールに通うE美ちゃんを以前このHPで取り上げた。(7月28日の日記 「E美ちゃんのしたたかさとこれからの真剣勝負」) この時は、 E美ちゃんが語学と専門知識のハンデを、担当教授とのしたたかな交渉によって乗り切っていったこと、 しかし今、留学生に理解のない修士論文の指導教官に苦労していることを書いた。 その後E美ちゃんはどうなったか?? なんとE美ちゃんは指導教官との関係改善のために、 おそるべし作戦に出た。 。。。。。 場所は指導教官の研究室。 E美ちゃん「これ、『うちの母』から先生への贈り物です」 彼女は高級日本酒を指導教官に渡そうとした。 教官「ちょっと待ってくれ。なぜ君のお母さんがわたしに贈り物をするんだ?」 E美ちゃん「うちの母は、わたしが先生にお世話になっていることを非常に感謝しているからです。ぜひ、それで最高級の日本酒を先生に味わっていただきたいと。。。日本では感謝の気持ちを贈り物とする習慣なのです。」 教官「そ、そうか。それでは、ありがたくいただきます」 。。。。。 この直後、この指導教官の態度ががらっと変わった。 これまでは、 E美ちゃんが何か質問しても、 指導教官はそれに答える前に 「きちんとした英語でしゃべってほしい」 と言ったり。。。 E美ちゃんが何か書いて提出しても、 指導教官はそれにコメントする以前に、 「子供のような英語だね。これでは点がでないよ」 と言ったり。。。 指導教官が指摘した点というのは、留学生にとってはどうしようもないことなのだ。 イギリス人のアクセントでしゃべることは無理だし、教養を感じさせるこなれた英語を書くのは難しい。 たとえ流暢でなくても、学生の言いたいこと、書きたい内容を理解しようとするのは、先生の仕事のはずだ。 。。。ということで、 E美ちゃんはこれまで修士論文の指導をまともに受けられず、大変な苦労をしていたのだが、 このE美「母からの贈り物」作戦によって状況は変わった。。。 E美ちゃんが書いたものを提出すると 教官はにこやかに 「ここはこう書いたほうがいいよ。そうすると高い得点が出るよ」 「なんかあったらいつでもおいで」 。。。ということだそうである。 E美ちゃんは、極めて日本的な贈答品作戦によって 指導教官との関係改善に成功し、 修士論文の指導がきちんと受けられるようになった。 わたしはE美ちゃんに聞いてみた。 「どうしてお母さんからの贈り物をしようって思いついたの?」 彼女の答えは 「だって、日本だと子供がお世話になるとき親が贈り物をするのは当たり前じゃないですか。当たり前のことをしただけですよ。。。」 なるほど。 しかし、英国では大学になって親が出てくることはほとんどない。大学へはローンと奨学金で通い、親の世話にはならないのがこの国では普通だからだ。 だから、指導教官(英国人)からすれば、親がわざわざ感謝して贈り物をしてくるということが、とても印象的だったのだろう。 それにしても、E美ちゃんおそるべし! である。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年09月05日 21時17分56秒
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